2006/02/23(Thu)
今日になって、以前に書いたブログ記事「米国債保有は、日本の財政再建の最後の足かせとなるのか?」 に異常なアクセス増があると思ったら、このブログ「依存症の独り言」-「日本は「成熟した債権国」に私のブログ記事が引用されていた。
なるほど、この記事の中の『発展段階別の経常収支のイメージ』というのは、面白い。
「未成熟な債務国」→「成熟した債務国」→「債務返済国」→「未成熟な債権国」→「債権取り崩し国」
との発展段階説で、このうち、中国は、債務返済国の段階、日本は、未成熟な債権国と成熟した債権国の間の段階、アメリカは、債権取り崩し国の段階にあるのだという。
若いころ、ロストーの経済発展段階説(Rostow’s Model- the Stages of Economic Development.)というのがあって、テイクオフ(離陸)という概念の元に、経済発展段階説(「伝統的社会」→「離陸のための準備段階」→「離陸」→「成熟化へのドライブ」→「大量消費時代」)が説明された時代があった。
考えてみれば、私ども日本人は、いつのころからか、英国エコノミスト誌での、日本経済の評判を、ひどく、気にし続けてきた。
まず、エコノミスト誌が、日本経済を取り上げたのが、1962年の「驚くべき日本 : 日本経済調査報告 エコノミスト特集」(Consider Japan)(The Economist, 1-8 Sept. 1962)
次に、1965年の「それでも日本は進む : 驚くべき日本その後 ロンドン・エコノミスト特集」
そして、1967年の「日本は昇った: 日本経済七つのカギ ロンドン・エコノミスト特集」
1981年の「 日本への衝撃 : 三度目の選択 」(Must Japan slow? )
と、続いた。
この「日本は昇った」「 日本への衝撃 」までを書いたのは、英エコノミスト副編集長ノーマン・マクレー(Norman Macrae )(1949年エコノミスト誌入社、1988年退社)さんだった。
このころは、私も、船便でエコノミスト誌を取り寄せるほどの熱中振りだったが、ほとんど積ン読であったことを覚えている。
近時、英国エコノミスト誌のビル・エモット(Bill Emmott)編集長(1980年英エコノミスト誌入社、2005年退社)が退任されるというので、日本に講演にやってきたらしい。
このビル・エモットさんは、ノーマン・マクレーさんが考案したレトリックをそのまま、引き継いで、今度は、バブル後の日本経済を評して、
1991年には、「The Sun Also Sets: The Limits to Japan’s Economic Power(日はまた沈む:日本経済力の限界)」
そして、1993年には、「Japanophobia: : The Myth of the Invincible Japanese 」
と、こき下ろし、
そして、今度は
2005年には、「日はまた昇る」「”Does Japan’s Sun Also Rise?”」
と持ち上げての著書を書いている。
『いったい、英エコノミスト誌は、いつまで、日本経済をコケにしてるんだよ。』ともいいたくなるが、このブログ「依存症の独り言」さんの「日本は「成熟した債権国」との文章を見て、こんな考え方も、あるのか、とも、感心したしだいである。
まあ、これからは、日本経済も、海外の評判を気にせずに、独立独歩というところかもしれない。
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