2006/02/23(Thu)
鳥インフルエンザのヨーロッパへの本格的到来で、EUでは、ワクチンの使用をめぐって、論議が沸騰している。
これまで、フランスとオランダは、EUに対して、ワクチン措置の開始許可をEUに対して求めてきた。
また、ドイツとフランスとオランダは、屋外の鶏を屋内に入れるように、国内指導している。
一昨日、ブリュッセルでEU農相会議が開かれたが、その会議の後、イギリス代表のMargaret Beckett氏は、「農相会議では、ワクチンの使用については、功罪半ばする点があるとの認識で一致した。」と語った。
その後、二日間の討議の後、今日になって、EUは、フランスとオランダのワクチネーション・プランを容認するとの結論をだした。
オランダは、愛玩鳥や放し飼いの鳥についてのワクチネーションを行うことになる。
また、ワクチネーションは、自発的なものとなり、これは、屋外から屋内へ鳥を移動させることのオルターナティブとなる。
一方、フランスは、ガチョウやアヒルについて、もっとも危険の多い地域について、ワクチネーションをすることになる。
なお、このサイト「Questions and Answers: Vaccinating poultry and other birds against Avian Influenza 」に、EUのワクチネーションについての一問一答集がある。。
今後、他の国がワクチネーションを行いたい場合、EUは、それぞれ個別の国に対して、認可を与えることになる。
これに対して、これまで、ドイツ・オーストリア・デンマーク・ポルトガルは、ワクチネーションプランに対して、強硬な反対を唱えてきた。
イギリスも、ワクチネーションプランに対して、その達成効果についての懸念を示してきた。
しかし、このEUの流れを大きく変え、フランス・オランダのワクチネーション容認に向かわせたのは、スロバキアが、EU圏第八の鳥インフルエンザ感染国になったことであるという。
フランスの鳥インフルエンザ対応の鳥用ワクチンは、Intervet社のNobilisワクチン(ワクチン部門のオランダの Akzo Nobel が製造)を使用するとのことである。
ワクチンの種類としては、Nobilis IB 4-91 とNobilis IB MA5との混合で使うとのことである。
このうち、Nobilis IB 4-91のほうが、汎用対応できるとのことである。
元株は、H5N2のようである。
これは、David E. Swayne博士によって、メキシコのウイルス株によって作られたもののようだ。
Intervet では、 H5N2, H5N6, H7N1, H7N7 、H9N2を元株にしたワクチンを作っておるようで、 H5, H7、 H9 に効果があるとしている。
このほか、ワクチン導入を計画しているのは、イギリス、ベルギー、イタリア、オランダのようですが、いずれも、このIntervet社のNobilisワクチンのようだ。
以下参考記事゛
「Euro nations to start bird flu vaccinations」
「Vets split amid doubts over vaccination」
「EU approves French, Dutch poultry vaccination plan」
「Intervet Supplying Avian Influenza Vaccine to French Government」
ご参照
このほか、登録者以外は、閲覧不可能だが、
『Vaccination will work better than culling, say bird flu experts
Nature 434, 810 6 (14 April 2005) doi:10.1038/4344810a』もご参照
为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/
Translate
http://www.google.com/translate_t
笹山登生HOME-オピニオン-提言-情報-発言-プロフィール-図書館-掲示板