2006/02/16(Thu)
動物には、異常になった細胞を取り除くため、細胞が自殺する機構が備わっているとされているが、アルツハイマー病など、2〜20年かけて緩慢に進む神経の病気の場合には、この細胞死がほとんど働かないことが知られている。
この病気などで異常になった細胞が「自殺」する仕組みについて研究している東京医科歯科大と科学技術振興機構のチームが、この細胞死を遅らせるたんぱく質を、このたび、発見した。
このたんぱく質を使うことによって、長い年月をかけて病状が悪化していくアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の進行を遅らせる可能性があるとされている。
専門誌「ジャーナル・オブ・セルバイオロジー」に掲載された。
で見ることができる。
以下に、この論文のアブストラクトを、概訳する。
以下概訳
転写障害がハンチントン病などを含むポリグルタミン病 に関係しているということがいわれてきたが、転写の抑制が、神経細胞死につながるかどうかについてや、その神経細胞死の形がどのようなものであるかについては、わからない点が多かった。
この研究では、転写抑制が、アポトーシス(細胞自然死)や壊死や自食作用とは異なる神経細胞の非典型的死(TRIAD) を引き起こすということを発見した。
神経細胞の非典型的死(TRIAD) の進行は、他の細胞死と比較して、きわめて緩慢である。
遺伝子発現プロファイルでは、神経細胞の非典型的死(TRIAD)特有の完全長Yes-associated protein(YAP)-アポトーシスを促進させる p73共同因子-の減少が見られた。
さらに、神経細胞の非典型的死(TRIAD)の間においても、新しい神経細胞特有のYAPのイソ型であるYAPCsが、優性阻害のやり方で、神経細胞の死を抑制していることも、発見された。
YAPCs と、活性化した p73 とは、ハンチントン病患者やハンチントン遺伝子組み込みトランスジェニックマウスの線条体ニューロン においては、共局在化していることがわかった。
YAPCs は、また、初代神経細胞やキイロショウジョウバエのモデルにおいては、セロトニン転送遺伝子(HTT)に誘発された神経細胞の死を、著しく弱毒化した。
以上を総括して言うと、転写抑制は、YAPイソ型 と p73の変化と関係している神経細胞の死の新生プロトタイプを誘発させるが、このことが、ハンチントン病の病理と関係しているものと思われる。
以上、概訳終わり
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