2009/07/01(Wed)
民主党鳩山代表が主催する「友愛政経懇話会」の05〜08年の収支報告書に、延べ193人が勝手に寄付を記載され、鳩山代表が昨日、そのことについて陳謝したというのだが、ではなぜ、そのようなことをしたのかについては、「あまりに献金が少ないので、手元に預かっていた鳩山個人の資金を、秘書が、水増し記載した。」というのだが、果たして、どうなのだろう?
この手法を悪用すると、たとえば、表にできない金を、水増し記載で、マネー・ロンダリングできるという知恵も働きうる、ということだ。
あるいは、個人が勝手に名前を使われているというのが、今回のケースだが、これを意図的に行うと、寄付金控除証明書を発行することによって、税還付金がえられうる余得を、名義貸しした当人に、供与できる、という芸当も、成り立ちうる。
さらにうがてば、その税還付金相当額が、資金担当秘書にキックバックされていない保障はない。
あるいは、国税還付金が政治献金に様変わり、なんて、こともありうる。
一見して、最高限度額っぽい個人献金には、要注意ってことでしょうか?
ここにおいても、ロンダリングが発生しうることになるのだが。
今回のケースでは、名義貸しした本人は、知らない、といっているようなのだが、何も、そうであれば、無理して個人献金の形をとらなくても、報告書への記載が義務付けられていない5万円未満の「匿名寄付」扱いで政治資金収支報告書に記載すればいいだけで、なぜ、わざわざリスクをおかして、個人名義の献金で記載したのか、その動機が今ひとつわからない。
なぜなら、個人の名前が明らかにしてまでもえられるメリットは、寄付金控除証明書発行による税還付のメリットしかないのだから。
これが、恒常的にインセンティブとして与えられていれば、故人になっても、寄付金控除証明書だけは、故人宅に届けられていた可能性もあるし、また、問題の表面化後に、「実は献金していた」とわざわざ名乗り出た人がいるということは、罪に問われないためのつじつまあわせとして、献金していたことにして、急遽、名乗り出た可能性も否定できない。
そうでなければ、献金者が名乗り出る社会的メリットは何もないはずだ。
では、どうして名義が借りられたのか?
おそらく、政治団体の主催者の身内の献金を、何らかの理由で表ざたにしたくなく、日ごろ、その身内が親しくしている第三者の名義を、合意か非合意かはわからないが、借りることによって、正規の金へとロンダリングしたのだろう。
名義をかりられた人には、合意の場合、寄付金控除証明書は届けられ、それを所得税還付金の領収書としてつかって人もいれば、使わなかった人もいたに違いない。
前者の場合は、今回の問題が発覚してから、「実際に献金していたのですよ。」と名乗り出たのであろうし、後者の場合は、なくなってからも、寄付金控除証明書が、故人宅に送り続けられてきたのだろう。
このサイトの5ページから9ページにかけて、実名が記載されていますが。
その意味で、今回の一件で、それぞれの寄付金控除証明書を、どのような処理をしたのか、大いに興味のあるところだ。
ここに名が挙がった個人が、当該年度の税務申告に、この寄付金控除証明書を使っていたのかどうか、その検証を済ませれば、その実態のほとんどは明らかになるはずである。
(友愛政経懇話会は
05年に52人(今回の発覚による修正で献金者は05年は69人から18人に減少しているので、34人分について、寄付金控除証明書が、過剰に発行されている)、
06年に26人(今回の発覚による修正で献金者は06年は51人から13人に減少しているしているので、13人分について、寄付金控除証明書が、過剰に発行されている)、
07年に35人(今回の発覚による修正で献金者は07年は64人から16人に減少しているしているので、19人分について、寄付金控除証明書が、過剰に発行されている)
の延べ113人分について、税控除の書類を提出していた。
上記の寄付金控除証明書の過剰発行分の合計は、66人分となる。
これらの寄付金控除証明書が税還付金のために使われていたとすれば、それによる税還付金総額は、膨大な金額になるはずである。)
どうも、その動機についての説明責任は、昨日の鳩山代表の説明でははたされていないような気がする。
小沢さんの陸山会が不動産のロンダリングの優秀例とすれば、今回の一件は、使途不明金のロンダリングの優秀例のようにも見えるのだが—
参考「政治資金団体の不動産取得は、贈与税逃れのスキームに使われる恐れあり。」
つまり、鳩山さんの場合には、母親からの贈与についての生前贈与税課税を免れるために、政治資金団体が、ロンダリングに使われた可能性が大であるからだ。
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