うちから程近いところにある「トトロの家」が、夕べ、全焼してしまったのを知ったのは、今朝になってからだ。
何しろ、昨晩は、新宿でホッピーをしこたま飲んで、そのまま家に帰り、寝込んでしまったこともあり、そんな近所での火事さわぎも、まったく、知らなかった。
午前2時頃、センサーの反応があったといわれ、放火の疑いも、濃厚であるという。
それにしても、杉並は、一見、安全な区のように見えるが、結構、この所、犯罪が多い区になってしまっているようだ。
不審火も、このところ、今年に入ってのものだけを数えても、井草、高円寺、阿佐ヶ谷北と、立て続けにおきているし、それも、ほとんど未解決のようだ。
(今年に入っての杉並区での不審火例
1月03日午前0時ころ、高円寺北4丁目の馬橋公園の植え込みで雑誌が燃えているのを通行人が発見。その後、午前1時10分ごろまでに、高円寺北4丁目付近や阿佐谷北の計3カ所で、路上の植え込みに放置された雑誌や、ブロック塀に張られたゴミ収集日の表示板が燃えた。区立馬橋小学校の裏門付近では、枯れ木が燃えたほか、杉並区下井草の路上でゴミが燃えるなど、約2時間に不審火が5件相次いだ。
1月21日午前1時ごろ杉並区井草2丁目、
1月23日午前0時40分杉並区井草2丁目
2月03日午前4時前、杉並区井草2件、
2月12日19:11頃、杉並区阿佐谷北1丁目
2月14日02:34頃、杉並区阿佐谷北5丁目、
2月14日13:22頃、杉並区清水3丁目)
また、阿佐ヶ谷駅前郵便局帰りの現金盗難事件も、いまだに未解決のようだ。
厚生労働省元幹部への傷害事件も、まだ、記憶に新しい。
私の家の車庫では、昨年、堂々と、車上アラシがおこなわれたこともある。
杉並区では、安全パトロール隊や「杉並区防犯カメラの設置及び利用に関する条例」(防犯カメラ条例)にもとずく街頭防犯カメラやスーパー防犯灯(街頭緊急通報システム)の設置とNシステム(自動車ナンバー自動読み取りシステム)の設置などを売り物にしているが、こうも、立て続けに事件が続くと、行政は、いったいなにしてんの?とも、いいたくなる。
逆に、杉並区生活安全及び環境美化に関する条例にもとづく行政サイドのやりすぎが、区民の自立的な行動の育成をはばみ、怠惰を招いている、というような見方も成り立ちうる。
その代表的な例が、もくひろいを徹底し、捨てた人の目の前で煙草を拾う「環境美化パトロール隊」のいたれりつくせり、だ。
ディズニーランドじゃあるまいし、この過剰な区民へのサービスが、その意図とは裏腹に、区民の自立心を損なう怠惰へとつながっているようにも見える。
町内レベルでのご近所パワーによる安心安全体制のスキーム確立が、今、見直されてしかるべきなのだろう。
ちょっと話がずれたが、この「トトロの家」は、日本の都市計画家の近藤謙三郎さんご自身が設計したご自宅で、「トトロの家」の愛称は、宮崎駿さんが著書「トトロの住む家」で紹介されたところから、ついたものだ。
なんでも、付近にアトリエを構えていた宮崎さんが、その著書で「たまたまその前を通りかかって釘づけになってしまった」と紹介したことで、有名になったものらしい。
一九二九年建築の木造平屋約七十二平方メートル、敷地三百八十五平方メートルのもので、庭にはバラ、キンモクセイやカキ、夏ミカンなどの木々が茂っている。
近藤氏の死後、めいの元デザイン学校教員の近藤英さんが譲り受け、三十五年以上暮らしてきたが、英さんの隣への転居に伴って、土地が借地のため、取り壊しの懸念が市民の間に強まり、その荒廃化を懸念した6千人をこえる市民の要望で、杉並区が買い上げ、区の景観重要建造物に指定し、2010年一般公開を目処にして、4億円の巨費を投じて、周辺景観を含めての改修工事を行っていた矢先のことである。
私も、近所のせいか、なんども、見ているが、なにしろ、道路事情が悪いところで、小型車がようやく通れるような、一方通行だらけのところにある。
今回の火事も、おそらく、その消火には、てこづったに違いない。
この近藤 謙三郎さんというかた、銀座通りの改修工事にあたったさい、その舗装に日本初の木煉瓦を使われたかただと言う。
そのほか、旧満州国の都市計画などにも参画された方のようだ。
現在の首都高速の原型となったスカイウェイ構想は、昭和24〜26年頃、近藤謙三郎氏によって考えられたものであるという。
スカイウェイ構想は、渋谷、新宿、池袋、横浜、浦和、松戸、千葉方面へ向かう7つの放射線と、それらを小径環状と大径環状の2つの環状道路で結ぶというものであった。
それらの近藤さんの思い入れのつまった「トトロの家」だったのだが、できうれば、焼失後の場所での再建を強く望みたいものだ、
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