Sasayama’s Weblog


2008/11/24 Monday

最悪のシナリオへ突入か?シティ・グループの危機

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:46:05

2008年11月24日
 
null連日の株価の大幅な値下がりで、シティ・グループの危機の本格化が、週明けの日本時間今晩にも、正念場を向かえ、ここにきて新たな動きが出そうな気配だ。

シティの株価は、先週木曜日に26パーセントダウン、金曜日に20パーセントダウン、先週一週間で60パーセントのダウンとなり、株価は、3.77ドルにまで落ち込んだ。これは、138億ドル分の資産減価にあたる。

これまで、シティ・グループの危機をアメリカ国内の資本で救いうる候補者(deep-pocketed investor )として名が上げられてきたモーガン・スタンレー、ゴールドマンサックス両者とも、その意図がないことが明らかになり、また、アメリカ政府からの資本注入も、望み薄のようだ。

ここにきて、HSBC(香港上海銀行)が、シティ・グループの分割を条件として、その一部を引き受ける意図を示した。

HSBCは、もし、アメリカ当局が、シティ・グループの分割資産譲渡をみとめるのであれば、シティ・グループの2兆ドルに上る資産のうち、アジアとラテンアメリカの資産については、引き受ける用意があるとの意思を示した。

とくに、HSBCでは、ラテンアメリカのブラジル、アルゼンチン、メキシコのシティ・グループの資産に、営業拠点としての価値を見出しているといわれる。

さらに、分割譲渡となれば、他の金融グループも、興味を示す可能性はおおきいといわれている。

このような意味で、注目されるのが、今晩のニューヨーク市場におけるシティの株価の帰趨である。

なぜなら、シティ・グループに関係深いある人がいうように、『今、シティ・グループに信頼を取り戻しうるのは、資本の増強や流動化よりも、なによりも、株価の上昇しかない。』と見られているからだ。

その意味で、日本時間の今晩、ニューヨーク市場が開くころに、シティ・グループは、今後の方向性についての何らかの声明を発表するのではないかと、憶測されている。

すでに、ウォールストリート・ジャーナルは23日までに、シティグループが政府当局者との協議を開始したと報じている。

先週、シティ・グループは、従業員の更なる五万二千人の整理(これにより年間67億ドルの節減)を発表したが、これらのことでの顧客の預金引き出しラッシュが今週起きるとすれば、第二のファニー・メイ、フレディ・マックとなりうる、シティ・グループの政府保証と言う最悪のシナリオにもなりかねない、危機的な状況に、今週陥る可能性も、色濃く出てきた。

シティ・グループは、10月にすでに、250億ドルの公的資本を受け取っているが、消息筋によれば、シティは、政府から、すくなくとも、さらに500億ドルの資本注入を必要としている状況であると言う。

シティ・グループは、これらのことについてのコメントを、今日に至るまで、拒否しつづけている。

参考
「Citigroup in crisis talks over future」

追記 2008/11/24(日本時間午前9時45分)

シティ・グループの救済策策定が進行中とのCNNのニュース

アメリカ財務省関係者の日曜日時点での話によると、シティ・グループ救済策が、シティ関係者と政府関係者、FRB関係者との間で話し合われているようだ。

詳細については、つまびらかではないが、シティ・グループのローンのうち、一定部分を政府が保証するとの方向のようである。

これよって、ローンによる損失を政府がカバーするとの方向のようだ。

この詳細についての発表は、東部時間の日曜日夜(日本時間では、24日の昼以降)に行われるとのことである。

しかし、これらの救済策が発表されたとしても、『それは、バンドエイド−びほう策(弥縫策)-に過ぎない。』との冷静な市場関係者の声も聞かれる。

要注目だ。

続追記 2008/11/24(日本時間午前12時15分)

救済策の中身らしきもの

このサイト『Citi Negotiating Second Capital Infusion with Government』によると、救済策は、三つからなっている模様で、すでに、政府当局は、議会関係者への説明を始めた模様。

救済策
前回の250億ドルに加え、新たに200億ドルの公的資本注入

救済策
シティの劣化金融資産に対して、政府とのロス・シェアリングをするとの合意を交わす。
しかし、詳細は不明。

救済策
経営者交代について、政府が関与する。
しかし、これについても、詳細不明。

上記を見る限り、かねてからささやかれている『会社分割し、不良資産の受け皿となる「バッドバンク」を新規に設立する構想』は、今回は、含まれていないようなのだが、こればかりは、正式発表を待ってみないとわからない。

参考
「Citi rescue plan in the works

続々追記
シティ・グループ救済策の全容  2008年11月24日日本時間午後2時30分

財務省がアメリカ時間11月23日深夜に発表したシティ・グループの救済策の全容は下記のとおり

.轡謄・グループは、米財務省への優先株の発行によって、200億ドルの公的資本注入をえる。優先株の配当利回りは、当分、年8パーセントとする。

◆◆屮轡謄・グループの保有する3,060億ドルのハイ・リスクなローン(Citi’s toxic assets )(MBSを含む)に損失が発生した場合、その損失のうち、シティ・グループは「293億ドル+更なる追加損失額の10パーセント」について、損失をかぶる。
ただし、シティの損失負担額は、最大567億ドルを限度とする。
政府筋の損失負担額は、
「財務省50億ドル、全米預金保険機構50億ドル、FRBは残余分についてノン・リコースのローン貸し出し」とする。

これらの損失補償は、アメリカ居住者債権については、今後10年間、アメリカ非居住者債権については、今後5年間の保証とする。

シティが発行する優先株の引き受け先は、財務省240億ドル、米預金保険機構(FDIC)30億ドルとし、総額270億ドルとなるが、そのうち、保証料として、70億ドルを、政府の保証料とする。

その内訳は、財務省に対しての保証料40億ドル、米預金保険機構に対しての保証料30億ドルとなる。

E面、経営陣の交代はしないが、ボーナスを含む給与の支払いについては、政府は厳格な制限をする。
焦げ付いている3060億ドルのモーゲージの縮小に努める。
また、配当についても、今後3年間、四半期ベースで1株0.01ドル以上の配当を出す場合は財務省の同意が必要、などの厳しい制限をもうける。

以上

なお、今回のシティ救済策が、今後の他の金融機関救済策のモデルとなるのではとの観測が流れている。

このサイト「Plan To Save Citigroup Could Be Model For Bank Of America Plan」では、早くも、次はバンク・オブ・アメリカの救済策にこのスキームがつかわれるのでは?との観測をしている。

なお、フィナンシャルタイムズでは、下記のような記事が流されているようだ。

US agrees bail-out for Citigroup“より

「今回シティとアメリカ政府によるシティ救済策ができたことで、今回のこのシティ救済策のスキームが、金融リスクをとどめ、金融安定化に向かわせるために、もし、必要とあれば、他の銀行へ、拡大しうる、と言うことが明らかになった。」

“Citi and the US government made it clear that the Citi arrangement would be extended to other banks that pose risk to financial system stability, if need be.”

参考
U.S. Treasury to put $20 bln into Citigroup

WRAPUP 1-Citigroup gets $306 bln rescue from US government

 

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