Sasayama’s Weblog


2008/11/22 Saturday

再び高まるファニイ・メイ、フレディ・マックへの懸念

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 01:34:16

 
11月には入って、いったんは、緩和するかに見えたファニイ・メイ、フレディ・マックのスプレッドが、再び、ここに来て、急速な拡大をみせている。

ファニイ・メイの2年ものについてみると、今週水曜日には、21べーシス・ポイント拡大し、179へ、5年ものについてみると、17べーシス・ポイント拡大し、160へ、10年ものについてみると、7べーシス・ポイント拡大し、165へ、となっている。

トレーディング・レンジは、10年ものについてみると、3.25パーセントと4.25パーセント、30年ものについてみると、4.25パーセントと5.25パーセントの、いずれも、間にある。

この拡大の原因は、ポールソン財務長官とバーナンキ議長の判断ミスによるものと指摘する向きもある。

このようなことから、これまでアメリカ政府が果たしてきた、これらファニイ・メイ、フレディ・マックなどGSE機関の後見人(conservatorship )的立場が、突然、打ち切られる可能性も、出てきたとしている。

バンク・オブ・アメリカのチーフ・エグゼクティブのKenneth Lewis 氏は、次のように、憂慮している。

すなわち、Kenneth Lewis 氏によれば、これらファニイ・メイやフレディ・マックなどについて、今後もGSE機関として存続させることを、政府が暗黙に保証するかの態度を示していること自体が、超過危険を市場にもたらしている、としている。

このことで、「頭部分の投資家については、リスクがなく、尾っぽ部分の納税者には、これらリスクが移転する」、というスキームとなってしまっていると言うのだ。

「この『投資家は、勝者、納税者は敗者』というスキームが、持続性のあるモデルになりうるとは、到底考えられない」と、Kenneth Lewis 氏は、いう。

さらに、Kenneth Lewis 氏は、以下の提案をしている。

「ファニイ・メイやフレディ・マックなどと、モーゲージ原資産所有者・投資家との間に立つべきは、政府ではなくて、純粋の民間部門であるべきである。

政府の役割は、それら、民・民とのあいだの市場での役割に徹するべきであり、政府がそこでなすべきことは、流動性の確保への保証である。

そして、その流動化のために資金供給しうるのは、公的資本ではなく、民間部門からの借り入れのみである。」

参考
Fannie Mae Spreads widened again on Wednesday By Richard Suttmeier

BoA CEO blames regulators and GSE flaws for crisis

 

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