Sasayama’s Weblog


2008/08/03 Sunday

「低炭素社会」という奇妙な日本語

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 09:54:58

2008/08/03(Sun)
 
null洞爺湖サミットあたりを境にして、町のあちこちで見かける「低炭素社会」なる日本語。

時々、私なんかは、これを「低酸素社会」と勘違いして、おもわず自分で息苦しくなってしまうんですが。

この「低炭素社会」という概念の一番の欠陥は、「炭素量の相対的な移転、シフト、オルタナティブ、トレードオフ、オフセット、ミティゲーション」 という概念から程遠い意味で使われているってことですね。

いかにも、「撃ちてし、やまん」の精神で、撲滅的な取り組みをしたがる日本人的な言葉です。

要は、この言葉が意味したいのは、「炭素への極度の依存を低めた社会の構築」という意味なのだろうし、それを英語で表せば、「reduce the dependency on carbon 」とでもいうのだろうし、それを日本語で、「低炭素社会」のフレーズ発案者の語感を尊重して、修正的表現にするとすれば、「炭素低依存型社会」の構築というべきなのでしょう。

でも、この「低炭素社会」って言葉、このサイト「low carbon society dilemma Options
なんか見ますと、英語への翻訳者たちは、苦労しているようですね。

では、いったい、英語では、この「低炭素社会」の意味合いを、どのような表現でもって使っているのでしょう?

炭素蓄積能力のあるものをオルタナティブにするという意味での「Carbon Bank」という使われ方(これは、ミチゲーション的考え方でもありますね。)とか

「Offset Carbon Emissions」とか

「Carbon Free Economy」とか

「Carbonless Economy」とか

「Carbon Neutral Economy」とか

「Reduced Carbon Emission Society」とか

なるのでしょう。

まあ、誰が考えたかわからない珍妙なフレーズが、政府にもてはやされるということは、ある意味、国辱ものですらありますね。

 

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Leave a comment

XHTML ( You can use these tags): <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong> .