2008/05/11(Sun)
4月14日に毎日新聞の秋田支局に赴任したばっかりの新人記者の坂本太郎さんが、赴任早々遭遇した十和田湖の白鳥の鳥インフルエンザ騒動の感想記事がこれだ。
なかに
「十和田湖の鳥インフルエンザ問題で取材に行ったときのことだ。観光物産店の女性は風評被害を懸念し、「この美しい十和田湖にいる白鳥から鳥インフルエンザが検出されるなんてありえない」と必死になって答えた。鳥インフルエンザ問題を報道することで、この人の生活はどうなるのだろうと思うと、メディアの力にぞっとするものを感じずにはいられなかった。」
なんてあるが、これって、ヒューマンのようでヒューマンでないな–。
wikiでは「風評被害とは、災害、事故、不適切あるいは虚偽の報道などが生じた際に、生産物やサービスの質の低下を懸念して消費が減退することにより、それらとは関係の無い業者が経済的損害を受けること。」とあるが、H5N1が現に、野生界に存在すること自体は、事実なのだから、その報道が、風評にあたることはない。
しかし、野生界にウイルスがあるという、その事実をすっとばして、ウイルスのコントロールの責任如何に対して、報道が刃を向けることで、作られた風評が跋扈することになるのだ。
そのことで、メディアが養鶏業者を死に追いやったことだって、過去にはあったのだ。
このようなスタンスでの鳥インフルエンザをめぐるスタンピードな報道ほど、社会的な公平を欠くものはないと思うんですが、いかがでしょうかな?
とはいっても、若葉マークの新入社員に鳥インフルエンザ記事を書かせること自体は、鳥インフルエンザ問題についての問題意識の練り上げは課題としても、今後のいい教育になるのかもしれないってことで、まずは、初記事、おめでとう。
それにしても、毎日には、ワクチン推進確信論者の小島さんもいるのだが、このごろおとなしく見えるのは、気のせいだろうか。
「鳥フル・専門ブログ」などと揶揄される私のブログとしては、ちょっと、気になるところである。