再び、recombinomicsでのNiman博士の見解だが、日本でのH5N1の発見に、北海道が加わったことで、アリューシャン列島沿いに、アラスカ、北アメリカへのH5N1の渡り鳥による伝播が確実なものとなったとの見方を示している。
これは、渡り鳥の東アジア−オーストラリア・フライウエイが、アリューシャン列島を経由しての日本−ロシア-北アメリカのルートにあること、大発生の韓国から北東の北海道までの距離が800マイル、そして、北海道から東のアリューシャン列島までの距離が、800マイルに過ぎないことなどによるものとしている。
しかし、これらの地域において、H5N1の監視体制を野鳥の糞によっていることについては、疑義を呈している。
なぜなら、野鳥の糞によるH5N1検査は、ファルス・ポジティブが多く、また、生きた鳥からの総排出腔ぬぐい採取(Cloacal Swabs)は、効率が悪いとしている。
それは、遺伝子の多型を発見するには、低温(33度)であることが要求されるからであるという。
近時にH5N1が発見されたのは、総排出腔ぬぐい採取によるものからではなく、咽頭ぬぐい採取(pharyngeal swab)によるものであるとしている。
そのほか、気管ぬぐい採取(tracheal swabs)も、有効であるとしている。
また、鳥の腸から検出されたH5N1はなかったとしている。
さらに、サンプル採取から24時間以内でないと、H5N1の検出が難しいというハンディもあるという。
そのようなことで、野鳥の糞を採取しても、そのほとんどは、徒労に終わる可能性が高いという。
なお、今回の日本でのH5N1が、クレード2.2.3(開裂部位の遺伝子シーケンスが”GERRRKKR”てあるウイルス)である可能性は、ほぼ100パーセントであると、Niman博士は見ているようで、日本が、検出したH5N1のシーケンスを一日も早く公表することを要望している。
なお、アメリカは、H5N1のアラスカ来襲に備えて、クレード2.2対応ワクチンを、手当てしたようだ。
参考1.渡り鳥の日本-ロシア-北アメリカ(アラスカ)のトライアングル
参考2.渡り鳥の東アジア・オーストラリア・フライウェイ(East Asian - Australasian Flyway)
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