2007/11/21(Wed)
WTOドーハラウンド交渉の成否がいつなのかは、最後のベルがなるまでわからない、とする中で、それが祝福のベルなのか、葬送のベルなのかも、最後までわからない、とする、興味深い論説が、この「A Doha Deal in the Making?」だ。
いろいろなシナリオが語られている。
記事概要は、下記の通り。
多くの論説者たちは、すでにドーハラウンドの死亡記事(obituary )を書いているが、実際は、そうではない。
なぜなら、現在、交渉の先頭に立っている各国のリーダーたちは、アメリカのブッシュ大統領をはじめとして、2010年には、現役の立場にいないリーダーたちだからだ。
その中でも、最も、ドーハラウンドの合意を願っているのは、ブッシュ大統領かもしれない。
また、EUの委員長にしても、任期は、2009年10月だ。
インドのシンにしても、ドーハラウンドで、えるものも少ないが失うものも少ないところから、ドーハ合意失敗の汚名を得るのは好まないだろう。
ブラジルは、当面の脅威は中国なのだから、ドーハラウンドの合意で、むしろ、貿易自由化によって、メリットを得る方を選択するであろう。
こうしてみると、今後のシナリオは、そんなに悲観するものでもなさそうだが、では、その合意のタイムリミットはいつなのかといえば、来年2008年3月なのだという。
その理由として、概要合意の後、細目合意に、6ヶ月から9ヶ月かかるであろうから、アメリカの事情からすれば、ドーハラウンド合意についての議会承認が、3月以降とすれば、ちょうど、ブッシュのレイムダック期間が細目合意のつめの期間となり、それが終わった頃には、アメリカ新大統領が誕生しているという計算になる。
では、そのシナリオがなかったとして、ドーハ合意が、アメリカ新大統領の元に預けられたとして、それで障害があるかと言えば、呼び声の高いクリントンにしても、就任早々、自らのドーハ失敗の汚名を嫌うであろうから、何らの障害もない。
大体、以上のような内容のようだ。
とすれば、アンチダンピング問題は、最後までもめるにしても、上記のシナリオの来年3月までのドーハラウンド合意という線は、かなり有力な推測といえる。
それに、今後、世界経済は、昨日のFOMC議事録にもあるように、低下の一途をたどるのであろうから、ここでドーハ合意を長引かせることは、世界経済にいたずらな混乱を呼び起こすことになりかねない。
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