2006/10/25(Wed)
日本の、民主党を含めたいわゆる革新政党が、低迷を続け、民心から支持を得られないのは、ひょっとすると、古い平和主義をいまだに振り回しているせいなのかもしれない。
このコロンビア大学のDana Burde氏の論説「Can Old Peace Movements Stand up to the New War ?」は、その辺の事情を、見事に解明している。
ここでは、かつての平和運動なり、平和主義が、なぜ死語になりつつあるかを、克明に解明している。
これによれば、過去の平和運動なり平和主義は、ヴェトナムの社会改良運動と結びついた反戦運動を経て、それが、ヴェトナム戦争を知っているものの数の低下によって無力化し、今度は、核反対運動に、転化していったという。
しかし、この運動も、冷戦構造の消滅と同時に、消え去り、そして、9.11以降において、これらの古い平和主義は、新しい価値観を見出しえずに低迷していった。
唯一、海外での暴力否定と、反戦を結びつける試みもあったが、テロへの民心の恐怖にかき消され、説得力を失っていった。
その後、これまでの平和団体なり反戦運動の母体は、これまでのムーブメントとしての働きから、ガンジーの非暴力に先祖がえりしたような、より、精神主義的な運動を展開するようになり、その目的は、大衆を巻き込んだ運動というよりは、愛をテーゼとした、自己教育と行動といったものへと変遷していった。
そして、今、模索されているのは、新しい平和主義であり、新しい平和運動であるという。
これは、「 Advocacy networks 」と呼ばれる活動である。
これは、多国間に渡る人権侵害問題に焦点を絞った運動であるという。
これには、ポイントが二つあって、
1.平和運動と、他の問題との連関付けを図る。
特に、人権侵害の焦点を女性に絞り、これと平和運動とを関連付ける。
2.ネットなどを利用した、国際的な「Advocacy networks」を構築し、そのネットワークでのサポートを、国際的に行う。
ということである。
まあ、このような世界の流れからすれば、旧態依然とした平和主義者の集まりである社民党と、民主党とが連帯を結ぶこと自体、民主党にとっては、自殺行為であることが、わかるのではなかろうか。
下手な『平和党』よりも、『人権侵害糾明党』のほうが、現世の支持を仰ぎやすい時代といえる。
それにしても、民主党の党首は、まづ、変遷しつつある平和主義についての認識を、新しい平和主義に改めなければ、対抗党から、古い人と、言い続けられるであろうに。
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