2006/07/07(Fri)
この研究は、カリフォルニア大学サンジェゴ校(UCSD)スクレイピー研究室と、アメリカ国立衛生研究所ロッキーマウンテン・アレルギー・感染症研究所が、遺伝子改変マウスを使って行ったもので、the journal Scienceの7月7日号で発表されたものだ。
この研究では、スクレイピーの感染物質が脳に感染後、300日後に、心臓に蓄積感染したという。
研究のアブストラクトは、『Prion-Induced Amyloid Heart Disease with High Blood Infectivity in Transgenic Mice 』
参照
この研究は、いろいろなことを示唆している。
すなわち、第一は、プリオンの心臓感染という立場に立った、プリオン病の新しい展開が期待できること、第二は、心臓から血液となって、プリオン病が体内を巡るという仮説にたてば、血液濾過による、プリオン病対策というものも、考えられうること、などである。
この研究を指導してきたMichael B. Oldstone博士によれば、「これまで、プリオン病は、慢性の神経疾患と考えられてきたが、今回のわれわれの研究で、他の発症の可能性もあり、それを引き起こす、コンディションやタイプについても、可能性が拡大されてきた。」という。
今回の研究では、異常な折り畳み構造のタンパク質が心筋に見られるが、心筋にアミロイド蛋白が発見されたのは始めてであるとしている。
カリフォルニア大学サンジェゴ校(UCSD)の心臓学の権威、Kirk Knowlton博士は、この心臓での異常な折り畳み構造のタンパク質が、心臓の血液ポンプアップの機能を低下させるとしている。
更に、博士は、プリオン病感染物質が、血液を、再生産的に、そして、確実に、高力価(ハイ・タイター)化するとしている。
そして、将来の展望として、プリオン感染物質が、血液感染し、体内を巡る間に、その汚染血液をろ過することによって、プリオン病を治すというような可能性も、見えてくるとしている。
また、心臓のアミロイドーシス(Amyloidosis) と、プリオン病との関係も、この研究で究明される可能性も出てきたという。
このアミロイドーシスは、アルツハイマー病の患者の脳にも蓄積しており、これが心臓に蓄積(蝋状のたんぱく質が、心臓に蓄積し、心機能を低下させるもの)することによって、心臓がおかされるものである。
この研究によって、プリオン病と、アルツハイマー病との関係にも、一筋のつながりが出てくるもののようだ。
昨年、同じ、国立衛生研究所ロッキーマウンテン・アレルギー・感染症研究所のBruce Chesebro博士とthe Oldstone group との共同研究では、細胞膜と、プリオンたんぱく質の間にあるCOOH(カルボ. キシル基)末端 構造で、グリコシルフォスファチヂルイノシトール・アンカー(GPI(glycophosphoinositol)アンカー)の存在がないと、プリオンたんぱく質は、折りたためるが、細胞の表面に取りつくことができないとされた。
この研究のアブストラクトは、「Anchorless Prion Protein Results in Infectious Amyloid Disease Without Clinical Scrapie 」参照
これらの研究成果も、今回の研究とおおいに関連があるとされている。
参照
「Prion Disease Agent Causes Heart Damage in Mouse Study; Findings Suggest That Neurodegenerative Disease Affects Other Tissues」
「Prion Disease Infectivity Causes Heart Damage in Mouse Study」
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