Sasayama’s Weblog


2005/12/17 Saturday

円高も円安も、ひとえに、アメリカの利上げの今後見通しで動いているという現実

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 19:59:08

2005/12/17(Sat)
 
null日銀の福井総裁は、「景気回復のすそ野の広がりが確認された。」として、あたかも、近時の円高が、日本のゼロ金利脱出の見通しで動いているかのようなコメントを出したが、実際のところは、先日のFOMCの声明文で、連邦準備金利のこれ以上の利上げはない、したがって、日米金利差は、これ以上広がらない、との市場の思惑で、円高に転じているというのが、真実のようだ。

日米の金利差が、ドル高を支えているという事実には、変わりないようで、今回の円高は、一時的なものと見るほうが正解のようだ。

本来、日米の金利差を縮小するのは、アメリカ側の利上げストップが要因となるのではなく、ひとえに、日本側のゼロ金利脱出のコメントが大きく左右するはずなのに、せっかくの日銀総裁のゼロ金利脱出の意欲をにじませたコメントも、市場では、無視されがちなのは、日銀と、政府との、量的金融緩和政策の早期解除についての、意見の違いに、戸惑っているためなのだろう。

参照
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051216-00000168-jij-pol
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=10000101&sid=a_5Q8DcZJUEE&refer=japan

参考 量的金融緩和政策の解除にかかわる、一連の発言集

【福井俊彦・日銀総裁】

「消費者物価指数が安定的にプラスだと確認すれば、1つの通過点として量的緩和策の解除を越えさせていただく」

「異常な政策をいつまでも続けるわけにいかない」

【中川秀直・自民党政調会長の発言】

「どうやったら06年にデフレを脱却できるのか、しっかり考えて量的緩和の議論をしてもらわないといけない。説明責任が日銀にはある」

「来年のデフレ脱却は『骨太の方針』に盛り込まれ、いわば政権公約だ」

「政策手段について日銀の独立性は認めるが、政策目標は常に政権と合致させていく必要がある。それが分からなければ日銀法改正も視野に入れなければならない」

「(日銀には)政策目標について独立性はない。それがわからないようなら、日銀法改正も視野に入れなければならないと思う」

「来年のデフレ脱却はいわば政権公約だ」「政権と合致させていく責任がある」

【小泉首相】

「(解除は)まだ早い。物価(の上昇率)がゼロ以上ないと。まだデフレ状況だ」

【谷垣財務相】

「日銀の金融政策は大きな意味で国の政策の一環だ」

「日銀が金融政策を決定する独立性は法で保証されている。(同時に)日銀の金融政策は大きな意味で国の政策の一環。大きな意味での腹の一致、方向感の一致は当然なければならない」

「デフレが依然として継続しているとの認識は、日銀と政府で食い違いはない」

【安倍官房長官】

「政府としては、来年度予算についても国債発行を減額し、一般歳出を縮減したいと考えるなかで、デフレを克服して経済を力強いものにしていく。その中で自然増収を図っていきたい。日銀にもこうした政府の方向性について理解していただき、政策的調整をしてもらわなければならない」

「政府・日銀一体となって協調することが大切で、デフレを脱却できるか微妙な時期に方向を誤っては、積み上げてきた努力が水の泡になってしまうとの認識の中で、意気込みを示したのだろう」

「日銀法によって政府と政策を協調していくことになっているので、その趣旨を踏まえ、政府の持っている目標に向かって、日銀にもしっかり努力をしていただきたい」

日銀政策決定会合での議決延期請求権の行使などについては、「今の段階では具体的な事柄の発言は控える」とした。

日銀との政策調整については、「経済財政諮問会議の場でも十分、協議、調整できる」との考えを示した。

【与謝野馨経済財政担当相】

「(日銀に)独立性はあるが、(政府の経済政策との整合性を定めた)日銀法四条の精神もある」

与謝野経財相はこれまで、日銀の金融政策の独立性を尊重する考えを示してきたが、従来の姿勢を修正した。

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