Sasayama’s Weblog


2004/08/12 Thursday

原油需要はより高まるとの予測

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:48:35

2004年8月12日(木) 

本日のニューヨークタイムズ紙のJad Mouawad氏の記事 Demand for crude is forecast to surge http://www.iht.com/articles/533647.htmlは、原価の石油情勢について、コンパクトに伝えている。
以下は、その概訳である。

世界の石油需要は、2004年から2005年にかけて、当初予測していたものよりも、高まるであろうし、石油価格高騰にあわせ、石油産油国が、増産体制を取ることは、世界経済の回復を損なうものであるとの予測を、パリに本拠地のあるIEAがしている。
イラクでの石油供給の混乱、ロシアのトップ生産者であるYukoの行く末についての先行き不安、中国での原油需要の高まり、これらが、近時の原油価格を押し上げる要因となっている。
しかし、今週の水曜日に発表されたIEAレポートでは、サウジアラビアやロシアが増産体制にはいったことを指摘し、石油供給減少への懸念払拭に努めている。
「石油市場はタイトであり、生産余力は、予期していたよりも少なく、不確実性が、石油市場に重くのしかっている。」と、報告書は述べた後、「しかし、これで、石油価格45ドル相場を適正とするのであろうか?現在の原油価格は、懸念材料であり、経済的なダメージを誘発するものである。」と、述べている。
石油市場の神経過敏さを沈めようとする努力のなかで、世界最大の石油輸出国サウジアラビアは、今週の水曜日、石油需要にこたえるための百三十万バーレルの石油生産遊休施設があると、発表した。
エネルギー機関によれば、現在、サウジアラビアは、日産九百五十万バーレルの生産をしている。
「サウジアラビア政府としては、もし、世界の石油会社に、石油追加需要があるとすれば、即座に必要に応じて稼動に入れる遊休設備日産百三十万バーレル分を、世界の石油会社に振り向けることができる。」と、アル・アリ・ナイミ石油相は、サウジ報道機関に対する声明で発表した。
「サウジアラビアは、現在、石油市場の動揺を鎮めるよう、努力しており、必要バーレル確保の体制に入っているといわれている。これは、歓迎すべきことだ。」と、ニューヨークを根拠地とする石油産業研究財団の理事長であるローレンス・ゴールドスタイン氏は言う。
ニューヨークでは、水曜日、9月期先物原油引渡価格は、28セント上昇し、44.80ドルにまで上昇した。
契約ベースでは、37パーセント上昇し、火曜日には、44.80ドルを記録した。
この記録的な高価格は、先物取引がニューヨークで1983年に始まって以来の高価格である。
このサウジアラビアの声明は、アメリカエネルギー情報局のレポートと、同時になされた。
このレポートでは、アメリカの石油株は、先週、輸入の縮小によって、予想に反して下落し、ガソリン株も、下落したと、報じた。
IAEでは、2004年での世界の石油需要量を、日産八千二百二十万バーレルと見ており、2005年には、日産八千四百万バーレルと見ている。
これは、先の見通しよりも、日産七十三万バーレル増えている。
IAEの新しい数字を見ると、以前に予測していた数字が、需要を過小評価していたものと、判断せざるを得ないと、記者よりの電話取材でIAEの月次石油市場レポートの作成者であるクラウス・レハーグ氏は、語った。
IAEでは、石油需要は、今年二百五十万バーレルという記録的増加を見た後は、2005年には、百八十万バーレル増加するであろうと見ている。
「世界経済に回復基調に影響され、世界の石油需要が強く、上昇しつつあることを、IAEは、ついに認めざるを得ない。」と、ゴールドスタイン氏は、言う。
中国からの石油需要は、2003年後半から、焼け付くような相場展開で、これまできたが、今年の後半には、減速するであろう。」と、IEAはいう。
その理由は、中国が、経済の過熱を防ぐための実効ある措置をとるであろうからと、IEAのレポートでは言っている。
世界の石油の三分の一を握るOPECでは、ほぼフル生産体制にある。
IEAは、OPEC内における実効ある設備余力は、日産五十万バーレルまでダウンしていることが分かった。
この見積もりには、内乱やストライキ、国内不安などによって生産能力を上げられない、イラクやヴェネヅェーラ、ナイジェリア、インドネシアなどは、含まれていない。
OPECのトータルの設備余力は、IEAによると、日産百二十万バーレルである。
この設備余力は、通常需要が増大したときに生産をアップさせるのが普通であるが、2003年2月以来は、日産二百万バーレル以下に推移している。
2002年中は、OPECは、日産七百万バーレル程度をあてにしていた。
「私は、基本的には、もはや設備余力は残っていないと思います、」と、ロンドンを本拠地とするドイツ銀行の世界石油戦略家のアダム・ジーミンスキー氏は、言う。
「もし、世界のどこかで、ちょっとした問題が発生すれば、石油価格は、たちまち、50ドル以上上がってしまうでしょう。」と、アダム・ジーミンスキー氏はいう。
石油取引業者たちは、メジャー産油国からもたらされる、しばし、つじつまの合わないニュースに、踊らされている。。
Yukosは、世界の石油の2パーセントを生産しており、また、脱税疑惑で捜査中の会社であるが、ここは、先月、生産を閉鎖するであろうと、警告されていた。
その一時間後、その情報は、ロシア当局によって、否定された。
イラクでは、イラク北部のトルコを経由するパイプラインが、とまっており、攻撃が警告された後、火曜日には、ガルフ湾経由のタンカー輸送も、政府は、取りやめた。
OPECは、この6月のベイルートでの会議の後、生産最大限の天井を、それまでの二倍にした。
しかし、OPECの経常生産高は、OPECが通常象徴的な目標としている日産二千六百万バーレルよりも、高い水準にある。
OPECの11のメンバーは、先月、平均して、日産二千九百十万バーレルを生産した。
武装した暴動者によって生産設備が破壊されたイラクを除いては、7月のOPECの生産は、日産二千七百十万バーレルであり、前月対比、日産十四万五千ババーレル、アップした。
OPECグループは、9月15日に、ウイーンで会議がもたれる予定である。
しかし、アナリストたちが言うに、この会議は、あまり、石油価格ダウンに寄与するようなものではないという。
一方、供給のほうは、7月には、入荷が一杯になり、日産五十五万バーレルあがって、日産八千三百五十万バーレルに達しようとしていると、IEAはいっている。
今年の年末までには、より多くの石油が市場に入ってくることになり、それには、北海などの非OPEC生産国からの追加日産百二十万バーレルや、OPEC諸国からの日産四十万バーレルなどを含むことになる。
IEAは、30年前に、アラブ石油貿易禁止後に設立されたメジャーオイルの消費国からなる独立機関であるが、次のような指摘をしている。
すなわち、工業国は、緊急備蓄用の多量の石油を持っている。
IEA加盟国は、利用可能な戦略的備蓄分として、百四十万バーレル以上を持つ必要があると、報告している。
戦略的備蓄石油は、イラクがクエートに侵略した1991年以来、口をあけてはいない。
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