Sasayama’s Weblog


2004/01/29 Thursday

「鳥インフルエンザは、一年前から発生していた」とのNew Scientist 1月28日の記事

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:39:01

  
2004年01月29日

1月28日づけNew Scientist http://www.newscientist.com/news/news.jsp?id=ns99994614  は、以下の記事を掲載している。

「鳥インフルエンザは、一年前から発生していた。」

この一週間、いくつかの国が、次から次へと、「何百万羽の鳥と、幾人かの人間が、鳥インフルエンザにかかっていた。」ということを認めた。

このことで、われわれが、これまでにない最悪の病気発生の事態に直面していることが、明らかになった。

なぜ、このようにコントロールが効かない事態になってしまったのか?

鳥インフルエンザ発生について、これまで頑強に否定してきたインドネシアは、今週、H5N1ウィルスが、昨年8月から全土に広がっていたことを認めた。

タイは、それが、昨年の11月から広がっていたことを認めた。

中国は、今週初めて、鳥のインフルエンザの検出を認めたと言っている。

「実際のところ、鳥インフルエンザの発生は、おそらく、中国で、早くも2003年の前半から、始まっていた」と、健康関係の専門家は、ニューサイエンティスト紙記者に言った。

国当局の公然の隠蔽と、問題の多い家禽飼育習慣との結合が、あいまって、現在進行中の鳥インフルエンザの蔓延につながった。

アジアの繁栄は、家禽生産システムの集約化の横行を招いた。

1997年、香港で、H5N1鳥インフルエンザで6人の人間が死んだ後、すべての鳥が殺処分されたとき、中国の生産者達は、殺処分をしようとする機会を失い、H5N1ウィルスの不活性化について、ワクチン予防で対処することからスタートした。

これが、おそらく、誤りであった。

もし、ワクチンが、現在アジアに広がっているH5N1の菌株のように、そのウイルスとマッチしなかった場合、そのウィルスは、何倍にも複製されるのだが、多くの動物は、それに感染しても、病気の症状を見せない。

これと同じような形で、中国南部における集中種痘計画の実施によっても、ウイルスが、見いだされることないうちに、広く広がってしまうことになる。

「われわれは、ワクチン予防は、望みません。」と、バンコクのFAOのハンス・ワーグナーさんは、言う。

このことは、なぜ、WHOが、インドネシアが、今回の鳥インフルエンザ対応について、「殺処分によらず、ワクチンによって対応する。」との声明を出したことに対して、がっかりした反応を示したのかということについての理由ともなる。

ワクチン予防は、H5N1の最新の変種の原型となるウィルスには対応できても、すでに、ウィルスそれ自体が、それらのワクチンを有利に回避出来るものに変わってしまっているのだ。

現在のウィルスの菌株は、2002年末に香港のPenfoldParkで発見されたものと良く似ている。

これは、通常より好条件で、アヒルに複製され、広範囲の野生の鳥に感染したように、見られる。

そして、広がりやすい特性をもつ糞便や、経口で、発散していったものと見られる。

現在、韓国やヴェトナムで発生しているウィルスは、両国のウィルス同士、似たものである。

他の国から異種したウィルスについては、現在分析中であるが、すべての鳥インフルエンザの大発生が、あたかも、一つの菌株の大規模な分布によって始まっているように見えると、WHOのインフルエンザ担当主席のクラウス・ストーラー氏は、言う。

「われわれは、昨年はじめの時期に採種したサンプルが、この菌株であることがわかっている。」と、クラウス・ストーラー氏は言うが、そのサンプルの採種地がどこであるかは、明らかにしなかった。

しかし、他の専門家の話では、そのサンプルは、中国からとられたものであるとのことである。

強じんに広がりを見せるという、このウィルスのパターンは、このウィルスが、家禽を密輸する人々によって運ばれているということを意味している。

これら家禽の密輸は、東南アジアでは、広く行われていると伝えられている。

ある専門家は、渡り鳥が原因だとするが、その証拠はない。

家禽に鳥インフルエンザが大発生している地域では、その地方の野生の鳥が影響を受けていることは確かである。

タイの動物園で、大量の珍鳥が死に、バンコクの路上では、多くの鳩の死骸が山積みされていると、伝えられている。

しかし、タイにおける渡り鳥の定点観測では、ウィルス感染の兆候は見られていない。

WHOにとって、いま、まずなすべきことは、人間への感染の引き金となりうる鳥インフルエンザ蔓延の阻止である。

いまのところ、人間感染のケースは、12人未満であり、それは、タイ、ヴェトナム、カンボジアである。

しかし、このほかに、未確認のケースが、さらに多くあるものと見られる。

ストールさんは、「このように広い範囲で、人間が、鳥インフルエンザに曝露しているのに、このように少しの人間しか感染していないということは、希望の持てる事態だ。」という。

これまでのところ、ウィルスは、人間から人間への感染までには、いたらないように見える。

もっとも恐るべきは、人間の誰かが、人間のインフルエンザと、鳥インフルエンザの両方に感染し、人から人へ広がりうる致死的なハイブリッドのウィルスを、体内で作り出してしまうことだ。

今週ジュネーブでひらかれた会合で、WHOは、鶏を扱う人で、人インフルエンザにかかった人が、同時に鳥インフルエンザにかからないようにするため、製薬会社と各国政府に対して、もっと多くの抗ウィルス薬と、普通のワクチンを用意することを要請した。

しかし、その規模というのは、dauting(ママ)である。

ストーラー氏は、「われわれは、十万錠のタミフルをすでに持っているが、これは、大海の一滴に過ぎない。このことは、人間のワクチンについても、同様のことが言える。」と、言っている。

付記−これらのNewScientistの記事に対し,本日,中国のQi Jingfa農業次官は,「これは,単なる憶測であり,根拠のないかんぐりである。われわれは,厳しいサーベイランスを行っている。」と述べ,また,中国当局のスポークスマンZhang Qiyue氏は,「このような疑惑は,まったく正確さを欠くものであり,根拠のないものであり,科学的なものでないと,信じている.」 と,コメントしたと,http://www.channelnewsasia.com/stories/afp_asiapacific/view/68550/1/.htmlなどで報道された。
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