2002年10月30日
毎日新聞10月25日付け記事「BSE全頭検査を見直せ」(小島正美(生活家庭部)さんの記事)
(URL http://www.mainichi.co.jp/eye/kishanome/200210/25.html 参照)
に付いて、下記のとおりの意見を送付しました。
本日の「BSE検査体制を見直せ」(小島正美(生活家庭部)氏署名記事)を拝見させていただきました。
文中、若干気になる点がありましたので、失礼をも省みず、指摘させていただきます。
文中「英国では生後30ヶ月以上の牛は食用を禁止し」ていること、また「昨年欧州諸国で(中略)このうち、もっとも若い牛でさえ生後42ヶ月だった。」の点です。
おっしゃるように昨年に限定しての話であれば、この点については正しいのですが、今年に入ってから、この点につきましては、新しい事実が続出し、専門家の間では、これまでの「生後30ヶ月以上の牛の食用禁止」のルール(Over Thirty Month Scheme (OTMS))を見直す動きにあります。
どうして、そのような事態になったのかといいますと、二つの理由があります。
第一は、BARB(Born After the Real Ban )問題というものです。
すなわち、1996年8月1日の肉骨粉等牛由来飼料全面使用禁止後も、BSEの牛がでているのは、何を原因にしてのことかが、科学的に証明されていないということです。
SSCは、昨年11月29日の会合で、BARB(Born After the Real Ban )問題についての報告「The six BARB BSE cases in the UK since 1 August 1996 」を発表しました。
それによりますと、SSCは、これまでの原因とされてきたもの以外に、母子感染や牧草汚染の可能性を含めた、新たな汚染の原因があるのではないのか、もし、このBARBの牛が55頭以上でてきた場合には、これまでのスキームをみなおさなければならない、との見解をのべています。
第二は、今年2月、北アイルランドで、生後31カ月の牛が、BSEの発症をし、ウェールズでは生後29カ月の牛がBSEの発症をしました。
この二つの事実で、英国の公式筋では、生後30カ月未満の牛について、BSE検査の必要性如何について、検討をはじめました。
そして、2003年の初頭までに、このルールを見直すことにしました。、http://www.foodstandards.gov.uk/news/newsarchive/72117参照。
以上のように、BARB(Born After the Real Ban )問題について、科学的な結論がられていない状況のもとで、新たな30ヶ月前後の牛のBSE発症となり、Over Thirty Month Scheme (OTMS)ルールの見直しという状況になっていることを、ご理解いただきたく、あつかましくも筆を取りました。
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