Sasayama’s Weblog


2002/10/07 Monday

ニューズウィーク紙と竹中大臣とのインタビュー「大銀行といえども倒産しないということはない。」

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:21:16

  
2002年10月07日

ニューズ・ウィーク紙は、竹中大臣とのインタビュー記事を最新号に掲載した。以下は、その仮訳である。

ニューズウイーク: 竹中さんの新しいポストをハイリスク・ハイリォードのポストという人がいますが、本当ですか?

竹中: もし、私たちがハイりターンを経済に求めるとするなら、政府とても、一定のリスクを負うことになるでしょうね。
私が大学教授の頃、経済用語で調整費用という言葉をよく使いました。
流動性が求められているということです。
資本・労働・技術の生産要素が、他の領域に移動すれば、摩擦が起こるでしょう。
しかし、その過程においても、われわれの経済の潜在力は、増加するでしょう。

ニューズウイーク: それらのコストは、大企業を破産に至らしめる中にも含まれるのでしょうか。

竹中: すべての市場経済において、悪い企業は、消滅する−これが基本原則であることを、私は否定しません。
しかし、政策決定者の視点から言えば、この間の調整費用を減らすということは、大切なことです。
もし、業績の上がらない会社であっても、ある理由によって存続し続けているとするなら、政府は、市場調整のスピードを高め、セーフティーネットを用意するでしょう。

ニューズウイーク: 合併で、日本の銀行は、4行のメガバンクが、残りました。
これらの大銀行は、破産するには、あまりに大きすぎますでしょうか?

竹中: 大銀行は、それなりのメリットを持っています。
規模の経済を享受することで、それら大銀行の財政基盤を強化します。
しかし、私たちは、これら大銀行が、破産するには、あまりに巨大すぎるという考えは、支持しません。
そうすることによって、優れたコーポレートガバナンス(株主主権)を危機にさらすことになり、モラルハザードを醸成するからです。

ニューズウイーク: 平均的日本人は、この国がおかれている金融状態に付いて、十分気づいているでしょうか?

竹中: 私たちは、多くのタウンミーティングを開催してきました。
本当に、人々が情報をよく知っていて、われわれの経済社会問題に対し、健全な姿勢を保持していることに、私は驚きました。
その意味で、私は、日本人の意思と能力を信じています。

ニューズウイーク: 買い手が改革を恐れると、株の下落があるという人と、ないという人とに専門家は、別れます。
われわれは、市場の動きをどう読んだらいいんでしょうか?

竹中: 政府が何もしなくとも、または、ドラスティックに行動をとろうと、いずれにしても、政府は批判されます。
しかし、長い目で見れば、市場は、正しい答えを模索することになります。
ここで、スゥエーデンの例を見て見ましょう。
1990年代の初め、政府は、金融機関に公的資金注入をしました。
これは、正解だったのですが、株価は、低落し続けました。
その後、たった一年で、株価は、リバウンドし始めたのです。
ですから、私たちは、ここで、少し忍耐強くしなければなりません。

ニューズウイーク: 韓国は、経済危機に際し、銀行を国有化し、経営者を一新させました。
日本も、このような手段をとる必要があるのではないでしようか?

竹中: 私たちは、スゥエーデン・韓国そしてアメリカの経験に学ぶ必要があります。

ニューズウイーク: 先月、日銀は、金融機関保有株式を買い上げ、金融機関のバランスシートが改善するのを助けるとの構想を発表しました。
この方針は、いい方針でしょうか?それとも悪い方針でしょうか?

竹中: 正直言って、このニュースを聞いたとき、私は、非常に驚きました。
私は、このようなひねくった政策が出てくるとは思っていませんでした。
日銀は、この方針の提示によって、日本の金融システムが破損されているとのメッセージを政府に送ったのです。
このメッセージは、今度は、政府が決然とした行動をとる時であるということを意味しています。

ニューズウイーク: 専門家は、竹中さんは、6ヶ月で結果を見せるといっています。時間との競争ができますか?

竹中: われわれは、その進展をどのように計っていくのでしょう?
GDPによってですか?株価によってですか?
前にも述べたように、経済指標にその結果が出るには、一定の時間が必要でしょう。
その意味で、われわれは、忍耐強くなる必要があります。
われわれ政府としては、この問題を解決するに付いての並々ならぬ姿勢を、市場に示す必要があります。
私は、市場が、好反応するであろうことを期待しています。

ニューズウイーク: あなたは、主要銀行の最高経営責任者(CEO)が、不良債権一掃に努力しないで抵抗したら、どう対応しますか?

竹中: これは、抵抗ではありません。
これは、その銀行の公式の立場を示したものです。
最高経営責任者(CEO)というものは、なかなか、自分の銀行を悪い銀行とはいえないものです。
われわれは、そこで、其のシステムを変えうるようなインセンティブを用意する計画です。
われわれは、その改革へのインセンティブとして何を用意すべきかを、銀行の最高経営責任者(CEO)と、よく話し合うつもりです。
338
  

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Leave a comment

XHTML ( You can use these tags): <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong> .