Sasayama’s Weblog


2002/09/29 Sunday

「塩川大臣の行きつ戻りつの迷走発言は、日本財務省の信頼性を損なうであろう」とのダウ・ジョーンズ紙の記事

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:20:46

  
2002年09月29日

9月28日のダウ・ジョーンズの記事は、G7での日本の財務省が見せた失態に付いて、日本経済への世界の不信感を増幅する行為であったと、酷評している。

この記事は、”Shiokawa Seesawing May Damage Japan MOF’s Credibility “「塩川大臣の行きつ戻りつの迷走発言は、日本財務省の信頼性を損なうであろう」とのものであり、以下に、この記事を仮訳し、掲載する。

塩川大臣が、国際舞台で、不良債権問題について、公然と矛盾したことを言ったことは、日本の重要問題についての日本財政当局の信頼性を著しく損なう行為であった。

塩川大臣は、二回の記者会見をふくみ、新聞記者へ5回のブリーフィングをおこなったが、不良債権処理問題についてのオニール長官との会談について、矛盾した見解を表明した。

オニール長官との会談を終えた後、塩川氏は、報道陣からの質問を受けて、最初にこう答えた。

「日本の金融機関の不良債権問題については、オニール長官との会談では、提起されなかった。そのかわりに、われわれは、日本とアメリカの成長見込みに付いて話し合った。」

しかし、このブリーフィングの後、財務省の事務当局トップは、こう語った。

「公的資金再注入問題については、確かに語られなかったが、双方の話し合いの中では、不良債権対策についての日本の方針の説明がなされた。」

しかし、大臣と事務方との矛盾した説明は、そのときだけにとどまらなかった。

G7会合後の公式記者会見で、塩川大臣は、オニール長官との会談のわずか6時間後だったにもかかわらず。最初のステートメントを完全に覆した。

双方の話し合いに付いての質問に対し、塩川大臣は、こう答えた。

「オニール長官が、公的資金注入問題に付いてたずねたのに対し、私は、次のような見解を述べた。すなわち、もし、いくつかの金融機関が、再建の見込みのない会社に対する不良債権を処理し、其の結果として、資本比率が低くなっ場合には、公的資金は、注入されるだろう。–との見解を述べたものである。」

この塩川大臣の見解の表明で、土曜日の朝は、報道陣と財務省当局は、大騒ぎになった。

しかし、財務省当局は、塩川発言の矛盾点に付いてきかれ、公的資金再注入を否定した。

さらに、財務省当局は、塩川発言を訂正した公式のステートメントを発表した。

そして、財務省当局は、塩川大臣自身が、再度の記者会見をすると発表した。

しかし、記者会見が召集されても、塩川大臣は、自身の前のコメントが修正されたことは、事務当局から知らされていなかったといいはり、怒りを爆発させた。

塩川大臣は、財務省事務局にたいし、塩川発言を修正したコメントを発表した事務当局を非難した後、記者会見の席を飛び出した。

席を離れる際、塩川大臣は、報道陣に対し、「なんで、同じことを何度もわたくしに説明させるのか」と、ののしって、出て行った。

この、塩川大臣と財務省当局との間の「Yes-No-Yes-No」の繰り返しのジグザグは、塩川大臣の最後の記者会見で、こう締めくくられた。

「私はオニール長官との公式の会談では、不良債権問題については、実際のところ論議されなかった。むしろ、オニール氏とその話題が出たのは、G7会合での休憩中の一対一の席で、オニール氏が見解をもらされた。」

これらの出来事は、日本の財務省の信頼性に付いての疑義を投げかけるものである。

日本の経済状態の情報に付いて、世界的な不信感が増していることは、広く周知の事実となっている。

たとえば、不良債権額の見積もりに付いて、民間と政府との評価額のギャップが広がっていることなどが、世界の日本情報に付いての疑惑を深めている。

日本の多くの研究機関が、不良債権額を100兆円と見積もっているのに対し、政府見積もりでは、50兆円弱にとどまっている。

日本の財務省広報担当官が、世界の注目を集める国際舞台で、大失態を演じたことは、今後さらに、日本にたいする広範囲にわたる世界の不信感を実証することになりかねない。
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