2002年9月22日
下記は、2002年9月20日に、Fitchが発表した、「Fitch Express Concern Over Rising Policy Uncertainty in Japan 」の仮訳である。
2002年9月20日、格付け会社であるFitchは、高まる日本の政策への先行き不安が、日本政府への信頼性をそこねており、また、このことは、今後の日本のソブリン格付けについても、よい前兆とはならないと、表明した。
日銀が発表した今回のかなり異例な金融機関保有株式買い上げ計画に続いて、不良債権処理問題解決についての日本政府の意図の不明確さが、金融市場において、不安と混乱を招いている。
Fitchは、この点に付いて次のように考える。
すなわち、今回の10年物国債の競争入札の札割れ問題を引き起こしたのは、政府の不良債権処理能力についての投資家の懸念の増大によるものというよりは、むしろ、まさに上記に述べた不良債権処理問題解決についての日本政府の意図の不明確さこそ、主な原因であるということである。
そのような状況にもかかわらず、企業と政府部門のバランスシートの悪化と、政府債務の異常な上昇によって、経済成長面での環境が確実に悪化している中で、より強くより統合された方針の下でのリーダーシップが欠如しているということが,何よりの心配の元である。
Fitchの長期外貨建て、自国通貨建て、いずれの日本のソブリン格付けも、AA格であり、展望は、ネガティブのままである。
そこで、われわれとしては、来週、東京に赴き、日本のソブリン格付けを行うため、政策展望に付いての詳細な調査解明を行う予定である。
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