Sasayama’s Weblog


2002/09/21 Saturday

スタンダード・アンド・プアーズ(Standard & Poor’s)の日本ソブリン格付け見通し

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:18:42

  
2002年09月21日

スタンダード・アンド・プアーズ(Standard & Poor’s)のアジア・ソブリン格付けチームのリーダーである小川氏は、日本ソブリン格付け見通しについて、次のように語った。(この記事を試訳したものです。)

「今回(2002年9月20日)の10年物国債競争入札の札割れ問題(注-1989年以来初めて、予定額に応札額が達しない札割れが発生)は、政府の資金調達計画の遂行を妨げるものではない。

しかし、この事態は、日本の経済政策の方向性についての不確実性を、投資家に対し強調したという、マイナスの効果があった。

日本は、適正な公共支出をおこない、また、経済を再活性化させるために、企業・金融部門の改革に、さらに努力する必要がある。

しかし、財務省と日銀そして金融庁の間での政策の行き違いによって、投資家の政策への信頼を揺るがす袋小路に陥っているのが現状だ。」

Standard & Poor’sの日本のソブリン格付けは、G-7先進諸国の中では、もっとも低いものである。

今年4月15日に行ったStandard & Poor’sの日本ソブリン格付けは、これまでの格付けより1ノッチ引き下げた上で、経済展望をネガティブとした。

このことは、今後も格下げの可能性のあることを示唆したものだ。

小川氏はさらに、こうもいう。

「経済政策の方向性についての不確実性の一部は、今週はじめ日銀が表明した、金融機関保有株式買取声明から生じている。

しかし、この買取量、価格、そして中央銀行の通貨プログラムの詳細は明らかでない。

この金融機関保有株式買取政策の透明性の確保や買取についての詳細規則がないと、このプログラムは、たんなる株価維持計画に終わり、金融機関の再投資や改革に資するには、あまりにお粗末な代用品になりかねない。」

Standard & Poor’sの格付けは、構造改革や金融統合が遅れるであろうことを織り込むが、もし、デフレ圧力がこのまま続けば、格下げは避けられないであろう。

この点について、小川氏は、こういう。

「われわれは、10月に発表されるであろう政府のデフレ政策パッケージを、綿密に検証するであろう。」

として、小川氏は、こう、締めくくった。

「その上で、スタンダード・アンド・プアーズの日本へのソブリン格付けは行われるであろう。」

(この記事の後、9月20日、S&Pは、日本のソブリン格付けを「外貨建て、自国通貨建ていずれも据え置きとし、アウトルックはネガティブとした。
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