Sasayama’s Weblog


2005/04/19 Tuesday

中国における「わび」の程度

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:56:32

 
2005/04/19

null4月18日付の中国各紙が、前日の日中外相会談について「町村(信孝外相)は日本が中国を侵略した歴史について、改めて深刻な反省とおわびを表明」といった見出しをつけて報じたということで、それについての憤懣が、日本に渦巻いているというのだが。

そこで、この報道の原文を当たってみると、次のようになっている。

たとえば、http://news.tom.com/1002/20050418-2050559.htmlによると、以下のように書いている。

仮訳
「正しい歴史的理解にもとづく日中関係の改善

中国の李肇星外相と、日本の町村外相との会談において、日本の町村外相は、過去の日本の中国侵略についての深い反省と謝罪を、再び、表明した。

4月17日夕、両国外相は、討論を行った。

その席で、中国の李肇星外相は、次のように言った。

すなわち、中国政府と中国国民は、日中双方が一致して過去の歴史に学び、将来に向かう事を望み、日中両国の友好と協力関係の構築に、これまで、高度の尽力をしてきた。

この精神は、両国で交わされた3つの外交文書に従ったものであり、両国の世代にわたる平和共存は、相互に、友好的に、有益な協力と両国の発展につながるものである。

このことは、両国にとって、長期にわたる利益をもたらし、世界平和に資するものとなり、世界の安定と前進に資するものである。

以上のように、李肇星外相は、述べた。

李肇星外相は、次の点を指摘した。

日中両国の改善と発展は、まづ、第一に、歴史の理解から始まらなければならない。

日本側は、日本の中国侵略の反省の上に立って、具体的に誓約を実行し、これに関連して、再び、中国人の心を傷つけることのないようにしなければならない。

李肇星外相は、台湾問題に関して、これは、十三億の中国国民の意見として、中国にとっての、最大の関心事であるといった。

ひとつの中国に固執することが、日中両国の政治的関係のベースになる。

この誓約に基づいての日本への中国側が、厳しい要望をすることは、中国の主権を侵すものとはならない。

町村外相は、これに対して、日本政府として、過去の歴史に学び、将来に立ち向かうことについては、快く同意し、この精神が、日中両国国民が友好的関係になることにつながるとした。

日本側は、李肇星外相が、少し以前に、記者会見で、日中関係の改善と発展についての「三つの原則と三つの提案」について触れたことについて、これについては、日本側としても、協力することを述べた。

また、町村外相は、近代史において、日本の中国侵略が、中国国民にもたらした巨大な損失と、深い苦しみについて、深い反省と、謝罪を、改めて表明した。

日本側は、深く歴史に学び、両国調和への道を歩みだすことを、快く引き受けた。
台湾問題については、町村外相は、日本としては、ひとつの中国の原則にこだわることとし、二つの中国の考え方には組みしないといった。

両国は、日中関係は、両国にとって、非常に重要な問題であるとの認識で一致した。

長期の観点に立った両国の長期戦略の一致は、世界平和の実現と発展につながるとした。

この長期戦略とは、対話によって、相互の理解の差を埋める事で、相互不可侵を実現するものである。

そして、そのことは、明らかに、両国相互の利益を拡大し、相互の協力関係のベルを高め続けることにつながる。

また、李肇星外相は、日本政府に対して、在日中国人の安全が保障されるよう、効果的な行動を取ることを、憂慮を持って要請した。

くわえて、両国における国際的、そして、地方的問題について、ともに、意見を交換することに専念することとした。」

原文
「改善中日关系要正确认识历史
2005年04月18日01时30分  来源:光明网-新京报  

外交部长李肇星与日本外务大臣町村信孝会谈,町村就日本侵略中国再次表示深刻反省和道歉

新华社北京4月17日电 4月17日晚,外交部长李肇星与日本外务大臣町村信孝举行会谈。

李肇星说,中国政府和人民一贯高度重视发展中日友好合作关系,希望双方本着“以史为鉴、面向未来”的精神,按照两国间三个政治文件,和平共处,世代友好,互利合作,共同发展。这符合两国的长远利益,也有利于世界和平、稳定和发展。

李肇星指出,改善和发展中日关系,首先要正确认识历史。希望日方将正视和反省侵略历史的承诺落实到具体行动上,不要再做伤害中国人民感情的事情,从根本上妥善处理有关问题。

李肇星指出,台湾问题事关中国核心利益,和十三亿中国人民的民族感情。坚持一个中国原则是中日关系的政治基础。中方强烈要求日方信守承诺,不做损害中国主权的事。

町村表示,日本政府愿意本着“以史为鉴、面向未来”的精神,从两国关系的大局出发发展日中友好。日方高度评价温家宝总理前不久在“两会”记者招待会上就发展日中关系提出的三项原则和三点建议,愿与中方共同努力,推动两国关系的改善和发展。

町村表示,日本在近代历史上对中国的侵略给中国人民造成了巨大伤害,对此深感痛心,再次表示深刻反省和道歉。日方愿深刻汲取历史教训,继续走和平发展道路。关于台湾问题,町村重申,日本坚持一个中国原则,不支持“两个中国”、“一中一台”,不支持“台独”。

双方一致认为中日关系对双方都十分重要。双方同意从长远战略高度认识和把握两国关系,共同致力于世界的和平与发展,互不威胁,通过对话解决分歧,积极寻求和扩大共同利益,继续加强各个层次和各个领域的交流与合作。

李肇星还严正要求日本政府采取有效措施确保中国驻日机构和在日中国公民的安全。

此外,双方就共同关心的国际和地区问题交换了意见。」

以上が、昨日の中国での報道だが、このなかで、「町村就日本侵略中国再次表示深刻反省和道歉」というところと、「町村表示,日本在近代历史上对中国的侵略给中国人民造成了巨大伤害,对此深感痛心,再次表示深刻反省和道歉」というところにある「道歉」という言葉に、日本のマスコミは、過剰反応したということだ。

中国語では、「わび」の程度を表す、いくつかの段階にわたる言葉があるようだ。

中国における「わび」の程度は、次のようになるのだろう。。

「遺憾(遗憾)(Regret)」 <  「抱歉(Sorry)=難過(难过)(Feels bad)」 < 「道歉(ApologyまたはVery sorry)=認錯(认错)(Admits mistakes)」

この「認錯」の「錯」という言葉の派生としては、「知錯、認錯、改錯」(過ちを知り、過ちを認め、過ちを改める)というような、言葉も中国にはあるようだ。
そのほか、ごく軽い意味で反射的に使う「対不起(对不起)」(「スミマセーーン。」という意味かな?)とか、「原諒」(「勘弁してね--」「かんにんね」程度の意味かな? )などもあるようだが。

さらには、“后悔”(Regret)、“懊悔”(Regret)、“内疚”(Compunction=悔恨 かいこん)“致歉”(Makes an apology)、“深表歉意”(Expresses deeply the apology)“表歉意”(Expresses the apology)(「歉意」=Apology)など、いろいろな「わび」の言葉が中国にはあるらしい。

ちなみに、「麻煩(麻烦)」というのは、「Trouble」という意味で、日本語で言えば、「すまんなぁ」「面倒を掛ける」程度の意味で、わびの部類に入れるには、どうかとも、思われる。

ここに、今回に似たような逸話が、「知理的民主,还是盲情的媒主? (八)」
http://www.chinaelections.org/readnews.asp?newsid=%7BD251EE68-C970-4B78-932C-51D8833D7021%7D
というサイトに載っている。

アメリカと中国との外交交渉で、アメリカのパウエルが中国に対して、regretというと、中国側は、それでは不十分だという。
今度はブッシュ自身が、regretというと、中国側は、「方向としては正しいが、不十分だ。」という。
そこで、今度は、文書で、sorry と書くと、それでも不十分だという。
そこで、次の文書で、 very sorry と書くと、外交交渉の終わったアメリカ政府職員を直ちに解放し、空港に車で送り届けて、本国に帰らせた。
本国に帰ってみると、今度は国内の反中国のマイノリティグループから、「ブッシュが中国側に、sorry といったのは、不快だ。なぜなら、中国では、sorry はapologizeの意味だから、そんなことをいうな」と、突き上げを食らう。
といった小話なのだが。

この「道歉(Apology)」をめぐる話は、中国との外交には、よくある話なのかもしれない。

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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