2005/02/06(Sun)
今日のニューヨークタイムズは、「Bush Is Said to Seek Sharp Cuts in Subsidy Payments to Farmers」と題したROBERT PEAR氏の論説を載せている。
これによると、ブッシュ大統領は、アメリカの来年度予算において、農場経営者に対する補助金の上限を設けることを提案したという。
このブッシュ提案に対して上院歳出委員会委員長のThad Cochran氏は、このホワイトハウスの提案に対して、戦う姿勢を強めている。
しかし、これらの反対にもかかわらず、ブッシュ政権は、これを強行しようとしているという。
この背景には、社会保障費の増嵩に伴う、アメリカの膨大な財政赤字がある。
ブッシュ大統領は、この農業補助金のカットにより、その批判を免れようとする思惑を持っているようだ。
同時に、国際的に貧困国などから批判の多い、アメリカの農産物価格支持政策への批判をかわそうとする狙いもあるようだ。
これらの補助金は、米栽培や綿栽培の大規模農場経営者に対するものが多く、続いて、とうもろこし、大豆、小麦の農場経営者に支払われる順になっているようだ。
ブッシュ提案では、農場全体の補助金支払い上限を二十五万ドルに設定しようとするものである。
現在では、いくつかのケースでは、百万ドルを超えるケースもあるという。
このブッシュ提案は、意外なことに、これまで、ブッシュ批判を強めていた環境グループなどにとっては、好評のようだ。
たとえば、そのようなグループの一人であるKenneth Cook氏は、「これまでになかった、たいした提案を、ブッシュさんはしたものだ。」と歓迎している。
すなわち、彼に言わせれば、「納税者たちは、もはや、農業への補助金や、家族農業存続のための補助金を負担する必要はない。」と明言している。
また、Cook氏の言うに、これまでにも、農業補助金案が出たことはあったが、議会が二十七万五千ドルの上限案を認めたにもかかわらず、ホワイトハウスは、その金額を減らしてしまったことがあるという。
このブッシュ案によると、来年度予算において、五パーセント削減の五億八千七百万ドルのカットを果たし、今後十年間において、五十七億ドルを節約するものだという。
ブッシュ提案は、これにとどまらない農業部門における財源削減案を持っているようだが、それらの詳細については、公表をはばかっているという。
また、補助金対象の厳格な選別もするとのことであり、「積極的に農業活動に従事する意欲のあるもの」を対象に絞るという。
このブッシュ提案は、日本にも飛び火する可能性が十分にあるものと思われる。
なお、原文は、登録しないと閲覧できませんが、対象記事のURLは、http://www.nytimes.com/2005/02/06/politics/06budget.html?oref=loginです。
このサイトhttp://www.theledger.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20050206/ZNYT02/502060429
http://www.brownfieldnetwork.com/gestalt/go.cfm?objectid=EEDC1E0B-F1EB-54F0-B4A0F300D0806161
http://www.usda.gov/agency/obpa/Budget-Summary/2006/FYbudsum.htmで、同様の記事が見られます。