Sasayama’s Weblog


2005/02/04 Friday

日米牛肉輸入再開協議にも影を落としかねないペインターvsUSDAのBSE検査抜け穴論争

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:37:12

 
2005/02/04

nullことの発端は、昨年12月8日に、NJC(the National Joint Council of Food Inspection Locals 全米食品地方検査協議会)のペインター(Charles S. Painter)氏が、USDAの食品安全検査サービス(Food Safety Inspection Service)のウィリアム・スミス(William Smith)氏に対し、内部告発者保護法(Whistleblower Protection Act)にもとずいて、現在のアメリカのBSE検査現場におけるBSE危険部位(SRM)の検査体制のずさんさを告発した書簡を送ったことから始まった。
ペインター氏は、その書簡の中で、一昨年のBSE後に、USDAが昨年7月9日に危険部位の新たな取り決めをした( これについては、http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=30参照 )にもかかわらず、BSEの検査現場では、依然として、もとのままの検査体制が続けられており、現場の検査員が、しらぬままに、違法検査行為を続けているということを指摘している。
また、30ヶ月の月齢確認も、ほとんどされていないとの実態を告発している
そして、氏は、これは、検査員の訓練が行き届いていないためであると指摘している。
これに対して、USDAは、この告発は、事実にもとづいていない点があるとして、逆に、ペインター氏を尋問し、告発する構えを見せるという妙な展開になっている。
また、消費者団体のパブリック・シチズンは、このUSDAのペインター氏に対する扱いは、内部告発者保護法(Whistleblower Protection Act)の趣旨に反する扱いであるとして、USDAに対して、公開質問し、回答を迫っている。
http://www.citizen.org/cmep/foodsafety/madcow/articles.cfm?ID=12883 参照。
このような中で、ペインター氏は、議会証言を求められている。
特に、このペインター氏の証言の中で気になるのは、30ヶ月の月齢確認さえも、現地検査体制では、おぼつかない状態という点についてである。
これは、いくら、日米協議で、詳細な月齢確認手法を確立しても、アメリカの現地検査体制では、ほとんど、守られないということを意味している。
また、個体認識票にもとづかない月齢確認を、その他の方法での確認へ日本側が譲歩する最前提としては、SRMの除去があったはずであるが、これさえも守られていないとなると、果たして、大丈夫なのかとの疑念が、ますます、わいてくる。
私は、このペインター氏の指摘の中で気になったのが、経験未熟な「オンライン・インスペクター(on-line Inspectors)」が、近年多数雇用されているという言葉である。(On-line inspectors are not authorized to take actions when they see plant employees sending products that do not meet export requirements past the point on the line where they can be identified and removed. )
これは、http://www.avma.org/onlnews/javma/nov01/s110101d.asp
に書いてあるように、このサイトhttp://www.fda.gov/cvm/forms/forms.htmlのチェックリストに従って、検査の予備審査ができるシステムである。
このオンライン検査員は、月齢を決定できる権限はないが、このサイトhttp://msnbc.msn.com/id/6738982/のように、このシステムの限界を指摘する声もある。
http://www.ens-newswire.com/ens/jan2005/2005-01-05-03.asp
もご参照。
http://news.ft.com/cms/s/a22a5788-758a-11d9-9608-00000e2511c8.html

-HOME-オピニオン-提言-情報・解説-発言-プロフィール-図書館-掲示板-
208
 

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Leave a comment

XHTML ( You can use these tags): <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong> .