2009/09/29(Tue)
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「S氏の相場観:円高の原因が曲がっている」は、相場屋さんの見方だけに、面白い。
こんなストーリーを想定している。
ドルを刷る→
米国債を大量に発行する→
増刷したドルで米国債を買わせる→
10月末で、FRBは、ドルの増刷をやめる→
米国債は値下がり→
金利上昇→
利払い増加→
ドル売り激化→
日本がどの水準まで、ドル売り円買いを許容できるのか、試す→
結局ドル円は、70円台にまで円高
以上がS氏のアメリカ経済への見方だが、この見方を裏付けるような記事が、今日のブルームバーグのサイトに載っている。
「U.S. Needs Strong Dollar to Aid Recovery, Forbes Says 」で、ここでは、フォーブス社長のSteve Forbes氏の以下のような見解を乗せている。
すなわち、アメリカは、もっと、「強いドル」政策を打ち出さないと、強い景気回復はできないであろうということを述べ、特に、中小企業の景気回復は、いまだしであるといっている。
オバマ政権は、強いドル政策こそが、正攻法の政策であることを知るべきであるとしている。
その点に関しては、オバマ政権は、なんらの政策も採っていないと指摘している。
世銀頭取のぜーリック氏までもが、今日は、ドルだけが世界の基軸通貨と考えてはならないなどといっている始末だ。
Steve Forbes氏は、ドルの安定のためには、まず、財政赤字の縮小が必要であるとしている。
そして、もし、FEDが、財政赤字にファイナンスするために紙幣を増刷することをやめるならば、ドルは安定するであろう、としている。
マーケットがドルを避けるのは、オバマ政権がドルを安定させることに関心がないからだという。
このことは、世界にとっても悪いことであるとしている。
そこで、大企業であれば、多彩な資金調達ができるのに、中小企業には、それができないというネックを解消するためには、どうしたらよいのか、ということについて、Steve Forbes氏は、次のような提案をしている。
すなわち、FEDは、今のように、米国債を買い上げるのではなく、その代わりに、証券化市場におけるローン・パッケージを買い上げることによって、それらを再び機能できるようにし、小規模企業融資や、クレジットカードのような消費者金融や自動車ローンの再機能化につとめることであるとしている。
なるほど考えさせられるSteve Forbes氏の原点復帰論だ。
強いドルをオバマ政権が志向すれば、日本の財務大臣も、余計なことを言わなくてすむのだろう。
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