Sasayama’s Weblog


2009/09/28 Monday

政権コータイ=景気コータイ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 18:58:53

2009/09/28(Mon)
 

それにしても、ひどい円高ですね。

日本の財務大臣が、G20の場で、不用意な発言を繰り返したせいも、かなりありますね。

いま、日本の財務当局がすべき認識は、「円高なのではなく、ドル安なのである」ということ、

「ドル売り先にありき」であるということ

「ドル・キャリー先にありき」ということ。

そして、「ドル安がポンド安に連鎖しつつある過程である」ということを、よく認識する必要があるんではないんでしょうか。

そしてこれに続くのは、各国の追随通貨切り下げ競争です。

これはいつか来た道、藤井さん薀蓄お得意の大恐慌へのみちですよね。

となると、日本の財務大臣は、本来なら「円高は、ドル安のコインの裏表(Flip-Coin)である。」ということにして、変形のビナイン・ネグレクト(Benign Neglect)という立場で、ドル安への受身の態度をとっていればいいものを、G20の注目される場で、一回ならず、二回も、「為替介入はしない」などという余計なことを言うのは、アホ以外の何者でもないと、私は思うんですけどね。

(まあ、選挙の残債整理のために、民主党関係者に、FX取引で、ドル円のショート・ポジションを推奨しているのなら、話はわかりますがね。
もしそうだったら、今頃はポロ儲けですよ。これらの関係者たちは。
官僚非依存、政治家主導ってのは、このようなことになっているかもしれない、政治家ならびに関係者によるインサイダー取引へのチェック機能がまるでなくなってしまうということですね。恐ろしいことです。)

第一、今のドル円市場ってのは、5%位のものなので、余計なことをいうと、今日のように投機筋に敏感に響いてしまう。

藤井さんの昔の頭で認識しているであろうマルク、円、ドル三通貨拮抗の時代は、いま、もはやすでになく、ドルの流通量が90%以上の時代なんだから、円がどうあろうと、ドルが何とかならなければなんともならない時代である、という認識が、藤井さんには足りないんではないでしょうかね。

藤井−行天感覚では、もう、古いんですって。(行天でなくて、仰天ですよ。これじゃあ。)

余計なことを言わないことこそが、日本経済をこれ以上悪くさせない、最良の策なのです。

で、
ドル安→アメリカの金利は動きうるが、日本の金利は動けない→ドル・キャリートレードのオンパレード
という構図がすでに出来上がっているのかも知れません。

つまり、現在の状況は、ドルの独歩安に対する投機的な円買い、という構図です。

まず、最初にドル安あり、したがって、ドル・キャリーあり、

そのあと、では、ドル・キャリーで、ドルを売ってどの通貨を買おうか、という選択で、円が選ばれる、っていう構図ですね。

で、従来ならば、ここでえらばれる通貨は、高金利国通貨なはずなのですが、ここで、どうして、低金利先輩国の日本の円が選ばれるか、ということになるのですが。

円は、依然として、これ以上金利を引き下げられない非負制約を持った通貨、と言う意味では、低金利通貨の中でも、もっとも、低金利安定度がある通貨とみなされているんじゃないんでしょうかね。

つまり買った後もブレがない、っていう意味で。

これが、まだ金利引下げの余地がある他の国の通貨であれば、平価切り下げで、その防御にあたられる可能性もある。

さらに言えば、日本は、実質金利(Real Interest Rate )では、デフレのマイナス1.2パーセントが功を奏しているので、必ずしも、絶対的な低金利国ではないのです。
(実質金利=名目金利−インフレ率
アメリカ4.0パーセント、
日本2.7パーセント
ドイツ3.1パーセント、
フランス3.5パーセント、
イギリス2.1パーセント
イタリア3.4パーセント、
カナダ2.8パーセント
参考「REAL INTEREST RATE FORECASTS」)

つまり、こうしてみると、一連の藤井さんの発言は、投機筋に、円買いの大義名分を与える一定の効果を持った発言ということになりますね。

28日の朝日新聞には、こんな記事も、

「藤井裕久財務相の円高容認の発言には憤りを感じる。「民主党は大衆受けするバラ色の話をしてきたが、長期的に見て大丈夫なのか。日本経済がめちゃくちゃにならないよう、国の財政のトップなら発言に気を付けてほしい」 」

 

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