2009/09/01(Tue)
民主党の圧勝で、政党交付金の大半が民主党に帰属してしまう事態が、ここ当分続く。
さっと見積もっても、100億近くがこれまでの自民党から民主党に移動するわけだから、政党交付金総額に占める民主党の取り分シェアは、毎年6割を超すにいたる勘定となりうる
ましてや、政党のうち、共産党は、政党交付金の受け取りを拒否しているわけだから、政党交付金問題のほとんどは、すなわち民主党の問題といってもいいわけだ。
まさに、「誰がために鐘は鳴る?」(For Whom the Bell Tolls?)ではなくして、「誰がために金は徴る?」(For Whom the Aid Tolls? 注-「Tolls」には、「通行料などを徴収する」という意味もあるんだそうで。)→「答え−それは民主党のため」ってことになるのである。
民主党が、徹底的な官の経費の削減を言い出すのであれば、民主党の受領がその大半を占める政党交付金(政党助成金)の
助成単価の縮減−半減-(現在の助成単価は、国民一人当たり250円、助成金総額=250×総人口(127,590,000)。これを助成単価125円にまで縮減すべし。約150億円の縮減)
または、
対象とする総人口の範囲の縮小(たとえば、非生産年齢人口などの対象除外、ただし、生産年齢人口を15歳以上65歳未満としているのは、実態に合わない。)
にまで踏み込まなければ、到底、説得力のある官の経費の切り込みはできないであろう。
自らの犠牲なくして、他に犠牲を求めることはできない。
議員の定数削減などいつできるかわからないことを約束するよりも、政党助成法のささいな改正(「基準日における人口に二百五十円を乗じて得た額」のうちの「二百五十円」の部分の改正)で済むことを優先してやるほうがいいのではないのか?
やるつもりなら、一ヶ月もあればすぐできる。
大体、総人口で助成金が決まるというこの政党助成法のスキームの立て方自体が、今日的には、問題なのだ。
いまどき、人頭税ではあるまいし。(沖縄の人頭税にしても、対象は15歳から50歳に限られていたんですよ。)
与謝野経済財政相も、今年1月頃の記者会見で、「政党助成金(交付金)を5割カットするくらいのことを言わないといけないんじゃないか。身を削るとはそういうことだ」というような提案をされていた。
その点については、攻守ところを変えての選挙後の与野党の認識は共通しているのではなかろうか?
ちなみに、政党交付金の総額の算定数字の総人口(127,590,000)から、0歳から24歳75億円(毎年)と60歳以上 95億円(毎年)を対象外とした場合、政党交付金総額は148億円(毎年)となり、ほぼ現状の半額となりうる。
なお、政党交付金助成単価の変更については、政党助成法第七条の改正が必要となる。
参考
07年の政党交付金支給額
自民党 165億9583万7000円
民主党 110億6382万4000円
公明党 28億0607万円
社民党 9億6822万3000円
国民新党 3億2940万3000円
新党日本 1億7863万9037円
国民一人当たり250円の負担(政党助成法第7条で、国民1人当たりの負担額を250円としています。そのため政党助成金の総額は、250円に総人口を掛けて計算します。)
政党助成金総額年間370億円
国会議員一人当たり 4687万円
政党交付金総額の計算
=助成単価(国民一人当たり250円)×総人口(127,590,000)
=約319億円
世代別政党交付金負担金額
0歳から24歳まで(30,140,000人分) 75億円(毎年)
25歳から60歳まで(59,230,000人分) 148億円(毎年)
60歳以上(38,190,000人分) 95億円(毎年)
人口推計月報参照
交付する額の算定
各政党から届出のあった政党届(基準日現在)に基づき、総務大臣は届出のあった政党に対して交付する政党交付金の額を算出します。
政党交付金は議員数割と得票数割で構成され、政党交付金の総額の2分の1は議員数割で、残り2分の1は得票数割で計算し、その合算額が交付する額となります。
・議員数割 (所属の衆議院議員及び参議院議員の数に応じて交付される政党交付金)
・得票数割 (総選挙又は通常選挙における得票数に応じて交付される政党交付金)
政党交付金助成の根拠法
政党助成法
第三章 政党交付金の算定等
(政党交付金の総額等)
第七条 毎年分として各政党に対して交付すべき政党交付金の算定の基礎となる政党交付金の総額は、基準日における人口(基準日の直近において官報で公示された国勢調査の結果による確定数をいう。)に二百五十円を乗じて得た額を基準として予算で定める。
共同通信による2010年の政党交付金試算
民主党 百七十三億二百万円()
自民党 百四億六千七百万円()
公明党二十四億三百万円()
社民党八億六千九百万円()
国民新党三億九千九百万円()
新党日本一億五千九百万円()
みんなの党三億四千万円()
合計 三百十九億三千九百万円(100.00)
余談−コーヒー一杯の値段
政党交付金の助成単価を250円としたのは、当時の「コーヒー一杯程度の国民負担なら」との相場観から設定されたものです。
で、現在のコーヒー一杯の相場は、その後、デフレ傾向も加味し、かなり低下しているようです。
たとえば、デニーズでは、 220円(おかわり自由)ですが、料理とセットですと、お代りコーヒー180円となります。
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