Sasayama’s Weblog


2009/05/27 Wednesday

マスク有効論・非有効論-原典に当たっての検証-

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:44:29

2009/05/27(Wed)
 
外岡立人さんの「マスク非有効論」のよってたつ根拠については、この3年近く前の外岡さんのサイト
マスクの功罪
に書かれているのだが。

ここては、外岡さんは
『パンデミック・インフルエンザ発生の際にマスクが意義があるかどうかは不明であると米国医学研究所は発表した。
効果は不明ながらもパンデミックが発生したなら数百万人の人々が効果を信じてマスクを着用し、さらに再使用しないことから、多くのマスクの供給が必要になると同研究所は判断している。
同研究所は国立アカデミーの一組織で、最も信頼性ある科学者の組織である。 』
といわれている。

その外岡さんの根拠としているのが、CDCのこのサイト
Interim guidance on the use and purchase of facemasks and respirators by individuals and families for pandemic influenza preparedness
だといわれるのだが。

そこで、このCDCのサイトをじっくり読んでみることにしたのだが。

まず、その前に、一口にマスクと日本語で言っても、このCDCのサイトでは、facemask respiratorとを厳格に分けて、論じている。

また、CDCがこの問題を論じるにいたる前提として
U.S. Department of Health and Human Services が出した市民向けのガイダンス
Interim Public Health Guidance for the Use of Facemasks and Respirators in Non-Occupational Community Settings during an Influenza Pandemic
の存在がある。

このガイダンスの中では、これまで、facemask と respiratorの使い方について言及されたガイドブックがなかったとの前提で、

「3.Prevent/Limit Exposures 」(曝露への防止と制限)

との一項のなかで

facemaskは、機密性が保たれていないので、インフルエンザ感染のウイルス粒子をフィルターすることはできないが、マスクをしている人のウイルスのついたdroplets をブロックするには、有効である。
としている。

このことは、子供にも有効ではあるが、子供の場合は、マスクを常に正しく装着していることが困難である、という難点がある、としている。

また、ウォッシャブルなfabric masks は、東南アジアなどに使われているが、これについては、ほとんど効果がない、としている。

N95 などのレスピレーターについては、機密性がたもたれ、顔が小さい子供でも、フィットしうるようになっている、とその有効性を評価している。

そこで、市民がfacemask と respiratorとのどちらを選択すべきなのか、についてだが、その前提として考えるべきは、
ゝ〔性
感染持続期間 
A着性(facemask のほうが respiratorに比して装着性がいいが、ウイルスへの防御性は低い。)
などをあげている。

外岡氏が参照にしているのは、この市民向けガイダンスでの「facemask か respiratorか」についてのCDCの補足説明なのである。

すなわち、CDCの
Interim guidance on the use and purchase of facemasks and respirators by individuals and families for pandemic influenza preparedness
においては、

facemask も respiratorも、感染の機会を減らす(decrease)ことはできるが、なくす(eliminate)することはできない、としている。

つまり、マスク装着は、「有効」だが、「万全ではない」といっているのだ。

また「facemask や respiratorの感染予防への有用性」については、

まだよくわからないとはいえ( Although)、一定の状況の下での装着は、パンデミックの下では必要と( warranted )されている。

(ここで ”warranted”を『必要とする』と訳す点については こちらのサイトご参照)

としている。

facemaskは、特に、人ごみの中において、他人の鼻や口と、自分の鼻や口との接触を避けうるという意味で有効であり、装着者のくしゃみや鼻水を他人に及ぼすことを回避しうる。としている。

また、 respiratorは、感染者への接触が不可避なときに有効である。としている。

こうして原典にあたってみると、やや、外岡氏のサイドに分が悪いようにかんじられるのだが。

私も、以前は、海外のニュース記事を鵜呑みにして、ブログ記事を書いていたこともあったが、最近では、かならず、その記事で引用された原典の記事なり論文を読んでみることとしている。

参考
2009年5月27日改訂版CDCの暫定推奨「Interim Recommendations for Facemask and Respirator Use to Reduce Novel Influenza A (H1N1) Virus Transmission

WHO インフルンエザA(H1N1)アウトブレイクにおける市中でのマスク使用に関する助言 暫定的な手引き

同上英語版原典

 

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