2004/12/22
クリスマスが来ると、アメリカBSE発生一年目を迎えるが、
サイトhttp://seattlepi.nwsource.com/local/aplocal_story.asp?category=6420&slug=Mad%20Cow%20Food%20Safetyでは、この一年間、初のBSE発生で、アメリカの消費者の食の安全は、どう確保されたのか、そして、されなかったのかを、検証している。
the Center of Science in the Public InterestのCaroline Smith DeWaalさんによると、確かに、BSE発生直後はアメリカの消費者も、関心は深かったが、だんだん、それは薄れ、結果としては、消費者よりも、ミートパッカーの声のほうが強かったという。
行政の対応も、発生直後にとられた対策を除いては、見るべき進捗はなかったとしている。
ダウナー牛の食のルート規制は、もっとも、インパクトのあるものではあったが、それよりも、危険部位の混入禁止のほうが、重要であった。
牛のBSE検査の拡大や、新サーベイランスプログラムの稼動もあったが、飼料規制の強化については、不十分であったとしている。
皮肉にも、米国の消費者にとって、食の安全のためにもっとも効果があり、米国政府を動かしたのは、ほかならぬ、日本を始めとした、米国産牛肉輸入国からの、米国政府に対する輸出牛肉の安全要求であったとしている。
牛の個体識別制度の本格稼動は、2006年初頭までかかる見通しであるという。
これらの対策がすべてなされたとしても、アメリカの消費者にとって心配なのは、単にBSE問題にとどまらず、食の安全を脅かす、そのほかの問題-大腸菌、リステリア菌など-が、予想以上に大きい問題なのではないかと、指摘している。
アメリカの疾病管理予防センターによると、アメリカで、毎年、食を原因としての病気の死亡者数は、五千人、七千五百万人が病気となり、そのうちの入院患者数が、三十二万五千人であるとしている。
このことから見ても、これら総合した食にかかわる病気の対策が必要とされるとしている。
「政府は、ミートパッカーの声よりも、アメリカの家族の声を聞け」と、the Government Accountability ProjectのGreg Watchmanさんは、いう。
特に、クリークストーン社等が、外国からの要請に応え、自主的な全頭検査をしようとしたのに対して、USDAは、ミートパッカー団体の「コストがかかる」「科学的根拠がない」などの意見のみ、受け入れ、これら自主検査の動きを拒否してしまったことは、USDA自体が、アメリカの消費者を守る使命にかけていたことを示すものであったと、消費者団体は言っている。
–プロフィール—-著書—行動—図書館—-掲示板–
170