Sasayama’s Weblog


2004/12/10 Friday

改めて、日本のBSEの原因を考える

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:32:12

 
2004/12/10
null今年一年のBSE問題を振り返ると、なんといっても、昨年クリスマスのアメリカのBSE発生とその後のアメリカからの日本向け牛肉再輸出要求に対応した日本の食品安全委員会の対応振りが特記される。
私自身も、この8月には、食品安全委員会での意見陳述の機会も与えられた。
しかし、そもそも日本のBSEが何によって発生したのかについての原因究明は一向に進んでいない。
その一方で、なし崩し的BSE規制の緩和が進んでいるといったのが、今の日本の現状なのではなかろうか。
いや、原因究明が進んでいないというのは、間違いで、少なくとも、これまで日本で発生したBSEを三つのコホートに分けられうるとするならば、そのひとつについては、肉骨粉が原因であるというよりは、代用乳が原因であるというということは、専門家の誰しも、感じていることであるに違いない。
私は、ここで、改めて、日本は、代用乳や血漿蛋白とBSEとの関係に絞って、原因究明を進めるべきときであると思う。
このサイト「Milk substitute consumed by 3 BSE cows had Dutch fat.」 は、BSEと代用乳との関係に絞った研究状況の一覧である。
この中に、次のような記述がある。
「日本の農林水産省は、動物性脂肪が、全農の子会社によって、日本へ輸入されたと、考えている。最初の三頭のBSE牛については、オランダから輸入された動物性脂肪が含まれていると考えられ、このオランダ製の動物性脂肪は、1997年以来、21頭のBSE感染を引き起こしたことが確認されいる。この三頭のBSE牛に与えられた代用乳は、全農の子会社の(株)科学飼料研究所で作られたものである。」
Officials of the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries said the animal fat is believed to have been imported to Japan by a subsidiary of the National Federation of Agricultural Co-operative Associations (ZEN-NOH). A milk substitute consumed by all three cows in Japan diagnosed with mad cow disease contained an animal fat produced in the Netherlands, where 21 cases of infection have been confirmed since 1997 (2). The milk substitute given to the three cows was produced at Scientific Feed Laboratory Co., another subsidiary of ZEN-NOH.
この問題について、日本の農林水産省は、オランダへの調査団を派遣したが、その結果では、以下のサイトに見られるように、交差汚染についての確証は、得られなかった。
参考
第6次輸入肉骨粉等の海外調査報告について
A model to assess the risk of the introduction into
Japan of the bovine spongiform encephalopathy
agent through imported animals, meat and meatand-
bone meal
 

しかし、サイト「Note on suspicion of a milk replacement as possible source of BSE, Denmark
にあるように、ドイツのNordmilch EGで製造されたSundkalvやRod KalvoやGron Kalvoという名の血漿蛋白・代用乳のトレースは、必要であろう。
これらは、1996年から1997年にかけて、デンマークやオランダやEU諸国を経て、全世界に出回ったものと見られている。
これらは、危険部位を取り除かれていない血漿蛋白と交じり合った可能性が強く、しかも、用途としては、単に子牛だけでなく、豚にも使われていた可能性が強い。
そもそもの日本のBSE対策は、決して、原因究明なくして完結しうるものではない。
新たな年においての、いっそうの関係者の努力を望むものである。

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