Sasayama’s Weblog


2006/05/10 Wednesday

FOMC最後の定期的l利上げになるのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:26:19

2006/05/10(Wed)
 
nullアメリカFOMCは、日本時間の今晩、第16回目の法定準備預金( フェデラル・ファンド)金利の引き上げを行い、4.75パーセントから5.0パーセントに引き上げることは確実であるが、今後も、バーナンキ議長が、グリーンスパン路線を引き継いで、定期的(Measured)な利上げを行っていくかどうかについては、エコノミストの間では、否定的な見解が多いようだ。

最近、バーナンキさんは、テレビ番組で、「市場は、私の発言について、あまりにも、楽観的な見方をしている。」との発言をされ、これがどのような意味なのかが、ミステリアスになっているようだ。

史上最高値に近づきつつあるニューヨーク株高(史上最高値は、2000年1月につけた終値の1万1722・98ドルで、5月9日の終値は1万1639.77ドルで83.21ドルの差)、そして、従業員賃金の高騰など、インフレ懸念の材料はあるものの、これが、果たして、消費者支出の増加に結びつくかどうかについては、エコノミストは、懐疑的のようだ。

4月の1時間当たり収入は、9セント上昇し、2001年8月以来の高水準となっている。
一方、原油価格の影響は、労働者の家計を圧迫するであろうから、この時間当たり賃金の増加は、消費増加には、結びつかないとするエコノミストもある。

ある予測では、2005年の消費者支出の伸びを3.5パーセント、2006年3.3パーセント、2007年3.0パーセントと見ている。

このような、入り組んだ最近の統計数字から、バーナンキは、今後、連邦準備金利を相当長期の期間(場合によっては、来年中も)5.0パーセントに維持するとの見方が強いようだ。
参考「 Fed to hike US rates to 5%

2006/05/10 追記 5月10日のFOMCの声明の概要

本日、5月10日に発表された「Federal Reserve Release」を、以下に、概訳しておきます。

連邦公開市場委員会は、本日、法定準備預金( フェデラル・ファンド)金利を0.25パーセント上げ、5.0パーセントにすることを決定した。

今年は、今までのところ、経済成長は、非常に力強く推移してきている。

委員会としては、今後、経済成長は、より維持できるペースでの穏やかなものに推移するとみている。

その根拠としては、住宅市場の徐々なる冷え込みと、金利における上昇効果の遅れ、そして、エネルギー価格の高騰を反映してのものと見る。

今までのところ、エネルギー価格や他の商品価格の急上昇は、コアインフレに対しては、限定的な影響しか与えていないように見られるが、引き続き上昇を見せている生産性の向上は、単位労働コストの上昇を抑えることに寄与しており、インフレ期待は、今のところ、静かなままである。

それでも、エネルギー価格や他の商品価格の上昇に伴って、資源利用高度化への確かな増加傾向は、見られ、これが、インフル圧力を高めうる可能性はある。

委員会としては、インフレ・リスクに対処した、更なる一定の安定策は、まだ、必要であるとは見ていないが、そのような安定策実施にいたる限界点とタイミングについては、今後入ってくる情報の意味するところにしたがって、景気見通しを進化させることによっているものと見ている。

いかなることがあっても、委員会としては、(インフレ回避という)目的達成に必要な、景気見通しの変更に反応するつもりである。

以上概訳おわり。

2006/05/12 追記 昨日のFOMC声明後、なぜ、ニューヨーク市場は下がったのか?との論説

昨日のFOMC声明後のニューヨーク市場は、ダウ平均株価が6営業日ぶりに反落し、前日比141・92ドル安の1万1500・73ドルで取引を終えたが、これは、一日の下落幅としては、今年1月20日(213・32ドル)に次ぐ下げ幅であった。

この論説「My Interpretation of the Fed’s Comments」では、なぜこのような現象がおきたのかについて、コメントをしている。

それによると、0.25パーセントの利上げは誰しも予想していたことだが、関心はFOMCが、今後のアメリカの景気見通しについて、どのような見解を、声明に盛り込むかにあった。

今後、バーナンキは、定期的な利上げはストップすることは確実なのに、なぜ、ニューヨーク市場は、反落という反応を示したのか。

それは、昨日のFOMC声明は、今後の利上げストップの可能性の余地を残したと同時に、利上げの可能性の余地も残した点にあるとする。

声明では、今後も利上げを行うかどうかは、景気見通しについての各種情報の的確なFOMC方針への反映ということであったが、このことは、もし、経済成長が引き続き堅調で、インフレーションが拡大していけば、利上げの可能性も大いにあるということになるとしている。

経済減速とインフレーションとの関係は無いとする経済見通しであれば、利上げはそこでストップしうる。

これは、いいニュースでも悪いニュースでもない。

要するに、昨日のFOMC声明は、今後、オープンマインドで、利率決定について、ことに当たるということだ。

この数ヶ月の各種経済見通しは、今後、FOMCが利上げストップをするかどうかの一点に絞られていた。

したがって、FOMCが今後の利率改定の判断の根拠とするとした各種景気見通しから、市場は、特に、小売店売上高統計での売り上げ伸び悩みの数字などから判断し、利上げストップを確信し、ドル売り、株売り、長期債へのシフトに走ったというのが、この論説の見方のようである。

私の思うに、なんか、このFOMC判断の根拠と、経済見通しなるものの関係は、卵が先か鳥が先か、から言えば、原因と結果とが、混在ないし逆転したような因果関係にみえるのだが。

もうちょっと毅然としたFOMCの判断を、市場は聞きたかったのではなかったのでしょうかね。

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