2006/02/11(Sat)
今月に入って、世界各地での鳥インフルエンザ拡大のうごきが、 速度を増している。
まず、2月8日にアフリカ・ナイジェリアのPaduaで、初のH5N1感染が確認され、数千羽が死亡した模様との報道が伝えられた。
かねてから、アフリカへの鳥インフルエンザ感染は、渡り鳥の南下によって懸念されたが、ついに、アフリカ大陸初めての感染例が確認され、今後のアフリカ大陸での感染拡大が、懸念されている。
しかし、フライウェイに沿って、徐々に南下するのかとも思っていたが、ボビー・オロゴンさんの郷里ナイジェリアで初感染とは、一挙に王手をかけられたような感じだ。
「Bird flu reaches Africa, kills Nigerian poultry」
こちらのフライウェイもご参照
このアフリカ・ナイジェリアに鳥インフルエンザウイルスが上陸したことについて、憂慮する声が広まっている。
これは、アフリカには、HIV患者が多いことと、関係している。
メンフィスにあるSt Jude Children’s Research HospitalのRobert Webster 博士は、HIV/AIDS患者が鳥インフルエンザに感染した場合、HIV/AIDS患者の免疫系は、鳥インフルエンザウイルスと戦う力がないために、健康な人間よりも、より長期間、鳥インフルエンザウイルスをキャリアとして、持ち歩くことになるという。
また、ウイルス自体も、容易に変異するという。
そして、他の地域よりも、容易にパンデミックの状態になりうるという。
そこには、健康人におけるサイトカイン・ストームと同じ現象が発生するのだという。
参照
「 HIV Could Launch Bird Flu Pandemic 」
「AIDS May Help Spread of Bird Flu 」
「Avian Flu Meets HIV/AIDS 」
「Avian Flu Meets HIV/AIDS 」「H5N1 + HIV Aids = ???」
「Aids may help spread of bird flu 」
「HIV epidemic may assist emergence of human ‘bird flu’ strain, expert speculates 」
ナイジェリアでは、さらに3地区での鳥インフルエンザ感染が確認され、感染拡大が懸念されている。
ここにきて、ナイジェリアのKadunaの鳥インフルエンザ発生農場Sambawa Farmのちかくで、二人の子供が、鳥インフルエンザ疑いの症状を見せ、検査中であり、また、これら子供の家族も検査中とのことである。
この子供たちの父親は、七面鳥やアヒルや家禽を飼育していたという。
参照「Bird flu: Two kids feared infected * Hospitals placed on alert, mass poultry cull in Kano」
しかし、そのような事態にもかかわらず、ナイジェリア政府は、家禽マーケットの閉鎖を命じず、また、人の移動制限も行っていないことから、感染拡大が懸念されている。
ナイジェリアで、最初に鳥インフルエンザのサンプルが採取されたのが、1月16日で、その後、感染は、広がっているものと思われている。
「Nigeria Ignores Bird Flu Precautions 」
参照
また、隣接などする他のアフリカ諸国の対応だが、ガーナ・モーリタニア・ガボンでは、ナイジェリアからの家禽の輸入をストップした。
しかし、エチオピアやウガンダでは、H5N1検出の機器や防護服すらないという状態のようである。
ウガンダでは、住民に鳥インフルエンザの危険性を告知しようにも、ラジオなどの手段がない状態のようである。
また、家禽の大量殺処分に要する補償の手立てもない状況では、十分なコントロール手段は果たせないとしている。
「Bird Flu Discovery Stokes Fears in Africa」参照
さらに、中国でも、鳥インフルエンザ感染拡大が、連日報じられている。
中国の山西省陽泉市で、2月3日から家禽が死に始め、2月3日には、一万五千羽が死亡、2月7日に、H5N1が、確認された。
これによって、187,745羽が、殺処分された。
「山西陽泉禽流感疫情受控」参照
なお、35人の家禽従事者について、人感染の疑いからか、自宅での監視体制の下に置かれ、1日2回のメディカルチェックを受けているという。
「China Places 35 Under Observation Due To Bird Flu」参照
さらに、 2月10日には、中国・湖南省綏寧縣で、20歳の女性が、H5N1鳥インフルエンザ感染で死亡した。
これで、中国でのH5N1鳥インフルエンザ感染者は、12人であり、そのうちの8人が死亡した。
「湖南女農染禽流死」 参照
インドネシアで、さらに3名のH5N1による死者が出る模様である。
一人は、Dewi Sartikaという名の27歳の女性で、もう一人は、Purnomoという名の卵を市場に運ぶ会社の従業員である。
いずれも、昨日、2月10日に死亡している。
また、すでに、Kiki Mariaという名の22歳の女性が、死亡している。
「Two more suspected bird flu deaths in Indonesia」
「Indonesia confirms 17th bird-flu death」
昨日死亡の女性たちの確認検査はまだだが、これらが確定すると、インドネシアでのH5N1による死亡者数は、19名にのぼることになる。
また、アゼルバイジャン(Azerbaijan)のカスピ海沿岸で、野生の鳥を中心にして鳥インフルエンザが発生した。
発生したのは、Absheron半島で、ここには、首都Bakuもあり、イラン国境に近いMassalyの先にあるという。
「Bird flu kills two more, hits Azerbaijan」
参照
ここで、 ちょっと、気になるのが、ちょうど、昨年の10月16日に、イランのアゼルバイジャンに国境を接しているPoldashtというところで、大量の野生の鳥の死亡があったのだが、イラン政府は、これは、鳥インフルエンザによるものではないと、強硬に主張したことがあったという事実である。
今回のアゼルバイジャンでの鳥インフルエンザの発生で、当時のイラン政府の隠蔽の可能性も出てきたようだ。
「Azerbaijan confirms bird flu in wild birds on Caspian Sea coast」
参照
これらの国の隠蔽疑惑について、トルコ政府は、隣接するイラン、アルメニア、アゼルバイジャン、シリアなどに対して、隠蔽をやめるように声明を出している。
「Turkey claims neighbors cover up bird flu」
参照
また、ブルガリアとギリシャとキプロスでも、新たに、白鳥などにH5N1感染拡大が認められた。
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