2004年04月17日
平成の市町村大合併で、合併する市町村同士の偏狭な思惑から、長年なじまれ、全国にそのネームバリューを高からしめた地名が、惜しげ゛もなく捨てられている。
たとえば、夏の花火大会で世界にその名をしられるわが秋田県の大曲市は、このたび、大仙市となり、大曲の地名は、市名としては消えてしまう。
商標法第26条では、次のような条項がある。
「登録商標は、それが地名(自治体名)である場合には、その地域には効力が及ばない。」
ということだから、では、捨てられた、ネームバリューのある旧市町村名を商標登録されてしまったらどうなるのであろう。
また、このサイト での判決
では、「地名の要部性」という点に注目し、「名称に地名が含まれている場合には、取引者・需要者は、その地名に着目するのであるから、その地名部分は取引者・需要者の注意を惹く部分として要部となり得るものである。」という見解を示している。
最近では、千葉県の人が、「阪神優勝」のロゴを使おうとして、球団阪神タイガースともめたことがありましたっけ。
専門家の意見として
「ある有名な地名(市名)ブランドは、それと異なる新市名になった場合、その新市において特産物や商品にそのブランド名を付けることは違法となるおそれがある。
なお、そのブランド名が商標登録されていても、それが市名である場合にはその市内に商標権が及ばず自由に使用できるが、異なる新市名になった場合にその新市において特産物や商品名に使用することは商標権の不正使用となるおそれがある。
産地名表示の適正化や商標権の尊重は世界的な流れであり、今後、我が国でも厳格に適用されると思われる。新市名の決定にあたっては、これらの事項も踏まえておく必要がある。」
とのこと。
ご用心ご用心。
その他の有力な捨てられる旧市町村名としては、たとえば、福江市.六郷町.修善寺町.川之江市.宇和町.更埴市.徳山市.清水市 などが、めぼしいところですか
今後の展開として注目されるのが、湯布院町。
挾間・庄内・湯布院の合併協議会が設立されているが、合併後の市名候補としては、1位 由 布(ゆふ)2位 豊後富士(ぶんごふじ)3位 湯布院(ゆふいん)なんだそうで、現在の情勢では、湯布院の名が捨てられる確立が高い。
2002年に湯布院町では、すでに「ゆふいん名称使用届出要綱」にもとづいて、湯布院の名を使うことを制限している。
まあ、湯布院の場合は、合併しても、地名は残るらしいが。
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