2002年06月23日
今回の株価低迷の原因として、今年の春以来続いている、カラ売り規制が、原因と見る意見がある。
株の世界でのカラ売りとは、普通の商売の世界での仮供給-見込み生産-、カラ買いは、仮需要-見込み発注-にあたる。
今年の2月6日に株価は、日経平均9420円となり、昨年9月21日に付けたバブル後最安値9554円をも下回った。
そこで、金融庁は、昨年末から打ち出していたカラ売り規制の一層の強化を目的として、2月8日、カラ売り規制の見直しを発表し、その効果あって、2-3月中は、一時的買戻しの発生によって、株価は持ち直した。
カラ売りを2月以降規制したということは、それ以後の仮供給も仮需要も発生しない、信用取引の縮小を招き、ひいては、株式市場全体の沈滞をまねいた。
皮肉にも、その間、ニューヨーク市場の好調もあって、株価は順調に伸びつづけた。
本来であれば、ここで、カラ売り規制をいったん解除すべきであった。
すなわち、肝心の仮需要が発生すべき時に、規制をかけたままだったのだ。
いうなれば、前の年に、エアコンの見込み生産したのが、冷夏で在庫がたまったのに懲りて、今年は、猛暑の夏になると予想されたにもかかわらず、エアコンの生産を受注生産にとどめたわけである。
カラ売り・カラ買いの反対売買の期限は、3ヶ月から6ヶ月以内であるから、そろそろ、麻酔が解け始めたころには、規制なかりせば本来発生したであろう反対売買はなく、市場はちぢみきったままというのが、現在の株式市場の現状だろう。
禁じ手の公的規制をたてにした市場介入での麻酔効果は、さめた後は、必ず、大きな痛みを伴う、しっぺ返しを食うという、いい見本だ。
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