Sasayama’s Weblog


2005/05/17 Tuesday

プリオン仮説以外の仮説を検証する必要はないのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:02:20

 
2005/05/17(Tue)

null私の掲示板にもご登場いただく真名さんのブログの最近号に、「非常に小さい核酸をもつウイルスがプリオンに付着しているとの説は否定されてない」http://blog.livedoor.jp/manasan/
archives/21854793.html
という記事があって、興味をひかれた。

参照 Manuelidis L, Sklaviadis T, Akowitz A, Fritch W. Viral particles are required
for infection in neurodegenerative Creutzfeldt-Jakob disease
. Proc Natl Acad Sci USA 1995; 92: 5124-8.

このブログのコメント欄にも書かせていただいたのだが、Chris Bostockの「The nature of TSEs」http://www.socgenmicrobiol.org.uk/
pubs/micro_today/pdf/110002.pdf

によると、BSEの原因仮説には、大きく三つあるという。

第一は、今、もっとも主流のプリオン仮説( protein-only hypothesis)であり、他のひとつは、真名さんが紹介されている「非常に小さい核酸をもつウイルスがプリオンに付着している」(1954年に Sigurdssonが提唱)との仮説であり、もうひとつは、virino仮説(virino hypothesis)(1959年に、Hadlowが提唱)というものだ。

その他、Nemavirus hypothesis(線状ウィルス仮説) 、Virino and replication site hypothesis などがある。

http://www.bseinquiry.gov.uk/
report/volume2/chapterg.htm

http://w3.aces.uiuc.edu/
AnSci/BSE/Prion_vs_Virino.htm
参照

このvirino仮説は、第一のプリオン仮説と第二の「非常に小さい核酸をもつウイルスがプリオンに付着している」との仮説とのハイブリッド仮説ともいうべきものであり、たんぱく質にコーティングされた非常に小さな遺伝子物質が感染因子となるという説である。

プリオン仮説とvirino仮説との違いは、プリオン仮説が、たんぱく質単独での感染因子となるというのに対して、virino仮説では、遺伝子が実質感染因子となっており、たんぱく質は、その伝達補助材となっているというような位置づけになっている。

しかし、このサイト「The Prion Theory」http://www.portfolio.mvm.ed.ac.uk/
studentwebs/session2/group4/evidence.htm

に見られるように、virino仮説での因子を実際見ることができない以上、仮説の域を出ないとして、否定されている。

Prusinerさんが1982年に命名した、このプリオンというものも、”proteinaceous infectious particle”(タンパク質に関係する感染微粒子)を略して、「Prion」(PREE-on)と名づけたまでのことである。

サイト「Mad Cow: Prion Research Misguided?」http://www.mycattle.com/health/
dsp_health_article.cfm?storyid=12063
では、イェール大学のLaura Manuelidisさんが、プリオン仮説に対して、疑義を呈している。(Laura Manuelidisさんは、Manuelidis EE氏の奥さんである。)

ここらで、改めて、真名さんの言われるように、プリオン仮説以外の仮説の検証を試みることも必要なことと思われる。

参照、「The Prion Hypothesis: fantasy or fact?」

为翻译对汉语, 使用这 ⇒http://translate.livedoor.com/chinese/

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