Sasayama’s Weblog


2005/05/06 Friday

USDAに操られている日本のBSE報道の滑稽さ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:59:16

 
2005/05/06(Fri)

null「09年に牛識別制度義務化へ 米、BSE対策で」という記事が、今日の大ニュースとして流れているのだが、5月5日にUSDAが発表したthe National Animal Identification System (NAIS) についての記事だ。

そもそも、この記事は、「2009年まで遅れる」ことを問題視して、とらえなければならない記事なのだ。

ちなみに、この記事
http://cspinet.org/new/200505052.html
では、「さらに遅れるUSDAのIDシステム」( USDA Announces More Delay on Mandatory Animal ID Systems)との表題がついている。

これは、CPSI(the Center for Science in the Public Interest)の意見であるが、ここでは、
「1996年にHACCPシステムを施行したときには、アメリカは、食品安全に関して世界のリーダーであったのが、2003年に前の農務長官であったヴェネマンさんが、強制IDシステムを発表してから、遅れに遅れてきた上に、今日発表されたIDシステムのフル稼働が2009年にずれ込むとあっては、用を成さないのではないのか」、
「少なくとも、カナダは、一年以内に、これまでの任意IDシステムから強制IDシステムに替わるわけであるから、それと歩調を合わすために、そして、日本などからの牛肉需要にこたえるためには、強制IDシステムの完成時期を早めるべきである。」
と主張している。

しかも、USDA発表のサイトを当たってみたら、何のことはない、これから、パブリックメントを、農場主や関係業界に来月6月6日までに伺って、最終案を決めるたたき台( ”Draft”または”thinking paper”)に過ぎなかった。
http://www.usda.gov/wps/portal/!ut/p/_s.7_0_A/7_0_1OB?contentidonly=true&contentid=2005/05/0150.xml参照

このたたき台は、「NAIS Strategic Plan -2005to 2009」と呼ばれ、現物は、このサイトにある。

それにしても、USDAの思うがままに操られている日本の報道体質、どうにかならないものでしょうかね。

今、USDAが一番気にしているのが、7月27日のモンタナ地裁のR-CALF訴訟でのカナダ国境再開に対する最終ヒアリングである。

この7月27日までの間に、R-CALFに有利に働く状況の変化があるかどうかについて、USDAは、一番気にしているのである。
http://www.agrinewspubs.com/Main.asp?SectionID=1&SubSectionID=207&ArticleID=8469参照

また、カナダ側の忍耐も、このサイトに見るように、ぎりぎりの状態にきている。

それまでは、何とか無難にというのが、USDAの偽らざる心境なのである。

日本の食品安全委員会も、日本の報道も、まんまと、その小細工に使われているというわけだ。

日本の食品安全委員会が、どのような答申をするのか、見ものだ。

このような中で、USDAは、このロイター報道
「Bush Administration May Ease ‘Downer Cattle’ Ban」のように、ダウナー牛の規制解除の方針を固めたようだ。

実施時期は、拡大サーベイランス体制が整った後ということだ。

これによって、これまで、ダウナー牛では、一頭200ドル以下にしかならなかつたのが、一頭1000ドル以上になると報じている。

以下に、このロイターの記事「Bush Administration May Ease ‘Downer Cattle’ Ban」の概訳を示しておく。

「Bush Administration May Ease ‘Downer Cattle’ Ban」概訳

ブッシュ政権は、金曜日(2005/05/05)、一定の傷ついた牛については、人間の食用に回せるように、15ヶ月前のBSE対策の一部規制を緩らげるであろうことを発表した。

消費者団体は、食供給ルートから、あらゆる危険な病気を排除する規則の変更には、反対を表明した。

USDAは、いわゆるダウナー牛について、あまりに病気で、または傷ついて、歩けない牛については、人間の食用のと畜を禁止した。

歩くことができない兆候を示す牛の禁止措置は、BSE対策パッケージの一部となっていた。

ジョハンズ農務長官は、ダウナー牛の食用禁止措置は、今年年内で拡大サーベイランスが完成したら、緩和するであろうことを示唆した。

「これについては、いろいろな議論がある。30ヶ月以下の牛で、搬送途中で、足を折ってしまった牛についてみれば、これには、BSEの恐れがないことは明らかである。

われわれは、それらの議論を注視していきたい。」と、ジョハンズ農務長官は、言う。

科学者は、BSEが、汚染された家畜飼料の広がりによって、感染拡大すると考えている。

BSE発症までには、潜伏期間があるために、若い牛には、危険が少ないと、考えられている。

ダウナー牛の、人間への食用禁止は、ランチャーたちにとっては、かなりの金銭的損失を招いている。

たとえば、1,110ポンドの去勢牛についてみれば、これをステーキやひき肉にすれば、千ドルほどの価値があるのに、ダウナー牛として、ペット飼料に使われるとすれば、一頭二百ドルの価値しかない。

毎年と畜される牛が三千万頭で、およそ、十九万五千頭がダウナー牛であると、産業サイドでは、見積もられている。

USDAは、以前に、2005年のうちの何時かに、拡大サーベイランスプログラムが完成すれば、現在のBSE政策は、見直されるであろうと述べたことがある。

ジョハンズ農務長官の金曜日のコメントは、見直しの時期について、政府として調査していることについて、明白に示しているものと見られる。

「拡大サーベイランスを仕上げる準備が整ったところで、われわれは、次になすべきことを決定しなければならない。

私は、問題を一定の範囲に目を向けたいと思う。」と、ジョハンズ農務長官は、述べた。

2004年6月以来、拡大サーベイランスをしたにもかかわらず、BSEのケースは、アメリカでは、発見されなかった。

4月10日までに、USDAは、拡大サーベイランスプログラムで、314,394頭を検査した。

今後数ヶ月で、この結果に基づく変更を提案するであろう。

消費者団体は、ダウナー牛は、人間の食用に供してはいけないと言っていた。

「もし、サーベイランスプログラムが、さらに陽性の結果を生まないのなら、ブッシュ政権が、BSE防護政策と逆の政策を採ると聞いても、私は、さして驚かない。」と、the Public InterestのCaroline Smith DeWaalさんは、言う。

「ダウナー牛は、健康でない牛であり、これを食ルートから遠ざけなければなりません。」と、彼女は付け加える。

農業団体は、ダウナー牛の禁止は、豚のと畜制限と、同じようなことに、結果としてなるのではないかと、懸念している。

15ヶ月前にUSDAによって採用されたBSE防止策パッケージには、老牛からの脳や小腸使用禁止、そして、空気スタンニングの禁止も含まれていた。

FDAは、牛の血漿蛋白の代用乳としての使用や、鶏の残渣物の牛の飼料への使用について、禁止するかどうかについて考えている。

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