Sasayama’s Weblog


2005/01/12 Wednesday

海洋投棄と漁礁問題

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:40:10

 
2005/01/12
東京都議の後藤雄一さんの「行革パン屋の都政日記」http://www.gyoukaku110ban.jp/diary/nikki-index.htmlの中で、次のような興味深い論争が展開されていた。
野伏漁港の浚渫の岩骸を地元の要望で、東京都が下田海上保安部に海上投棄の許可を申請したのだが、この申請の文言に「投棄」という言葉を使ったのでクレームが付き「海中に魚礁として・・・。」と書き直し、9月15日に許可がおり、作業したのだという。
ご承知の通り、海洋投棄については、ロンドン海洋投棄条約の1996年議定書で、海洋投棄および洋上焼却を原則禁止とし、海洋投棄を検討できるものを限定列挙するという方法(ポジティブリスト方式)が採用され、今日に至っている。
この東京都と同様の例で、次にあげるサイトhttp://www.georgiastrait.org/Articles/art2.php
の文書は、カナダのジョージア海峡同盟が、カナダの環境省に対して、古くなった軍艦HMCS Saskatchewan号を海中に沈めて、魚の人口漁礁にするという政府の方針に対して、「これは、ロンドン海洋投棄条約に違反する。」との見解から、反対の声明を出したものだ。
この中で、人工漁礁の問題について、次のように言っている。
「人工漁礁(artificial reefs)については、科学的なコンセンサスは何もない。
実際、多くの科学者は、人口漁礁について、それが、古い船で作られたもののような場合は、海洋に有害であると考えられている。
海洋環境に有益な漁礁とは、特定の海洋の地形にそって設計されたものでなくてはならず、また、魚のための多くの小部屋の数、そのサイズ、デザイン、基質、海上距離に応じた深さ、空間構成、構造、材質等など、さまざまな要素を考慮することで、特定の魚種の繁殖強化に資するものでなければならない。
廃船や他の廃棄物による漁礁は、(魚の繁殖にとって)不要なばかりでなく、かえって、自然の生息地が、そのような効果のない人工物にとって替わられることで、有害となる。」と、いっている。
これらのカナダなどの例からすれば、この東京都の方針とは、まさに乱暴な、ロンドン海洋投棄条約の精神に対する冒涜行為とも見てとられるだろう。

ロンドン海洋投棄条約の現物は
「CONVENTION ON THE PREVENTION OF MARINE POLLUTION BY DUMPING OF WASTES AND OTHER MATTER (LONDON CONVENTION 1972)」http://www.imo.org/Circulars/mainframe.asp?topic_id=617ご参照。
なお、
「Stop Ocean Dumping」
http://archive.greenpeace.org/comms/97/oceandump/oceanmain.html
というサイトもある。

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