Sasayama’s Weblog


2009/08/28 Friday

厚生労働省のH1N1流行シナリオとCDCの「FluView」との入院率の違いー楽観的なシナリオか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 21:47:10

2009/08/28(Fri)
 
今日、厚生労働省から発表された今後の日本におけるH1N1新型インフルエンザウイルスの流行シナリオでは、次のような与件が掲げられている。

(1)罹患率(morbidity rates)  20%
(2)入院率(hospitalization rates) 1.5%、
(3)重症化率(severe /case-fatality rates) (CFR) 0.15%

これらの数値を、アメリカのCDCが毎週発表している「FluView

と比較してみたいのだが

たとえば、(2)の入院率を比較してみると、「FluView」では、次のようになる。

2009年4月15日から2009年8月15日までの累積値

\幻0ヶ月から23ヶ月まで 2.1 per 10,000
2歳から4歳まで 0.8  per 10,000
5歳から17歳まで 0.7 per 10,000
18歳から49歳まで0.4 per 10,000
50歳から64歳まで 0.5per 10,000
65歳以上 0.5 per 10,000

ということになっている。

CDCの数値では、生後23ヶ月までの乳幼児の入院率は高いが、成人の入院率は、日本のシナリオほどではない。

ちょっと、日本の入院率の数値が高めになっているシナリオのように見えるのだが。

なお、このサイト「Prevention of Influenza:Recommendations for Influenza Immunization of Children, 2007–2008」の2ページ「1Estimated Influenza-Associated Hospitalization Rates, Selected Studies」に過去の10万人あたりの入院率の一覧表がある。
0.5パーセント内外といった数値が一般的のようである。

また、WTOの2009年7月20日の
Epidemiology and Illness Severity of Pandemic (H1N1) 09 Virus
での(3)の重症化率は、0.2%と、厚生労働省のシナリオよりは、かなり高目の数値となっている。

また、他の数値では、0.4パーセント (0.3-1.5%) (WHO Rapid Pandemic Assessment Collaboration)から1パーセント(61 deaths / 5728 cases )(WHO)との数値もある。
参考「2009 Influenza A(H1N1) – Human Swine Flu Is this the pandemic?」

(1)の罹患率(morbidity rates) については、1968年から1969年にかけての香港カゼH3N2インフルエンザでの罹患率が、多くのコミュニティでは、50パーセントに達したところから、この厚生労働省の数値は、やや低めとみられる。

今回の厚生労働省の流行のシナリオでは、通常のインフルエンザの2倍程度の「20%」を設定しており、「地域によっては最大30%が発症する可能性もある」とはしているが、非常に控えめの数値とは見える。

総じて、入院率は、CDCの実績に比してやや高目とはしているものの、シナリオ全体の前提となる罹患率が非常に低めであり、また、重症化率も低めであるところから、今回の厚生労働省の「流行のシナリオ」は、やや、楽観的なシナリオではないかと推察されうる。

null.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

 

お知らせ:
日本からシカゴのオプション売買ができるためのマニュアル
「シカゴ・オプション売買戦略マニュアル」(A4版273ページ、5,900円)をこのたび書き上げ、発刊しました。

内容・目次のご確認やお求めについては、こちらをクリックしてください。

お徳用なダウンロード版-電子書籍PDFファイル(273ページ、3,980円)ご希望の場合は、こちらをクリックしてください。

No Comments

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Sorry, the comment form is closed at this time.