Sasayama’s Weblog


2005/06/02 Thursday

タミフルは、われわれを、鳥インフルエンザから救えるのか?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 11:03:44


2005/06/02(Thu)

null今日のニューサイエンティストの記事「Can Tamiflu save us from bird flu?」http://www.newscientist.com/channel/health/mg18625023.100です。
以下に概訳します。

H5N1がより容易に、人間間に広がりうる能力を獲得したという不吉なサインが見られる中で、多くの総合保険組織は、タミフルが、ウイルスの複製を阻止しうるものとして知られる、唯一の利用可能な抗ウィルス薬との希望を、タミフルに託している。

たとえ、H5N1ワクチン開発が成功したとしても、パンデミックの場合に必要とされる数十億人分のワクチンを製造するには、何ヶ月もかかる。

それでは、あまりに遅すぎる。

だから、その間を、WHOは、タミフルの大量備蓄で、しのごうとしている。

それによって、パンデミックの出現は、少なくとも、遅くすることができるからだ。

先月、WHOは、ヴェトナムの患者が、タミフル耐性のH5N1変異ウィルスに感染したことを報告した。

最近の北ヴェトナムのH5N1のケースでは、ウィルスが変異しているというサインを示しているために、懸念を生じさせている。

このウィルスは、致命的でないが、過去のケースよりも大規模のクラスターを発生させている。

先月、ウィルスが、遺伝子的に、分岐変化しているとの研究も、発表された。

タミフルは、もし、それが、鳥インフルエンザの兆候が見られて、二日以内の早期に投与された場合には、患者の命を救うことができる。

しかし、先月、WHOは、ヴェトナムでの患者が、タミフル耐性を持つH5N1に感染したと発表した。

だから、たとえ、パンデミックが始まる前でも、タミフルの投与は、無益なことになってしまうのではないのだろうか?

幸いにも、抗ウイルス治療の指導的権威であるバージニア大学のフレッド・ハイデン(Fred Hayden)教授によれば、これらの耐性のあるウィルスは、広がりが弱いであろうとの見解をだしている。

このヴェトナムでのタミフル耐性のウィルスのような突然変異は、通常の人間のインフルエンザでも起きていることで、ウィルスの接触感染性を、通常の100倍も弱くしている。

日本では、タミフルを通常の人インフルエンザの流行の際にも使用しているが、治療される子供の16パーセントに突然変異が現れるが、しかし、そのようなウィルスは、ほとんど、他には感染していない。

同じことは、H5N1の、いかなる薬剤耐性の変異にも、適用するものと思われる。

「この仮定については、できるだけ早く、検証しなければならない。」と、ハイデン教授は言っている。

しかし、たとえ、タミフルが、多くの場合、有効であるとしても、それでもってパンデミックを押さえるには、不十分であろう。

WTOの抗ウィルス計画における本当の困難性は、ハイデン教授の言われるには、適切な時期に、すべての症例と接触を、見つけ、処理していかなければならないことにあるという。

「しかし、それは、われわれが試みようとしていないということを意味するものではない。」と、ハイデン教授は付け加える。

ジョージア州アトランタにあるエモリー大学(Emory University)のIra Longini 氏が言われるに、それは、いかに早くウィルスが広がるかに、大きく依存してくるという。

もし、感染した人々同士が、平均して最大で二人の人に感染させた場合には、発見と、すべての症例の措置と、抗ウィルスとの接触は、遅く、エピデミックを阻止することができる、と、彼は、踏んでいる。

しかし、1918年のインフルエンザ流行の時のように、病気にかった人が、二人から三人に感染させた場合には、ヘルスワーカーは、ウィルスについていくことが、出来なくなってしまう。

「薬の備蓄は、なお、命を救うことになるであろう。しかし、大流行を阻止することは出来ないであろう。」とIra Longini 氏は、言う。

抗ウィルス戦略がもっとも効果的に発揮される時期は、ウィルスの広がりがまだおそい初期段階であろう。

しかし、厄介なことに、タミフル備蓄が十分になされているのは、ヨーロッパ・北アメリカ・などの富裕国であって、H5N1のパンデミックが最もありそうなヴェトナムのような貧困国でのタミフル備蓄は少ないのである。

さらに重要なことは、タミフル自体が、不足しているということである。

17カ国が、タミフルの特許を持っているスイスのロシュに備蓄の注文をしたという。

そして、なお、10の国が、購入を検討しているといわれる。

たとえば、イギリスの注文は、一千四百六十万人の五日分であったが、それが生産できるまで、二年かかるという。

このタミフルは、限られた数しか生産できないプラントで作られていて、ロシュは、最初から、それを合成する方法をなお、開発しようとしているのだ。

タミフルと、同じ酵素をターゲットにした薬が、このほかに二つある。

しかし、レレンザ(zanamivir (Relenza))は、吸入する必要があるし、広く利用可能というわけにはいかない。

また、アメリカのジョンソン&ジョンソン社が利益が上がらないとのことで中断したperamivirは、アラバマの会社であるBioCrystが受け継いで生産しているが、今なお、新しいパートナーを探そうとしている。

「ほとんどのタミフル備蓄は、富裕国によって占められ、パンデミックがもっともありそうな貧困国には、ないのです。」と、いう。

アジアにおいては、H5N1は、2003年のアマンタジン(amantadine)のように、すでに、他のクラスの抗ウィルスへと発展してしまっている。

これらの耐性菌は、まさに致命的であり、非耐性菌として、接触伝染性の強いものである。

「中国は、amantadineを鶏の飼料に組み込んでいる。だから、われわれは、amantadineを処置方法として、使えなくなっている。」と、テネシー州メンフィスにあるSt Jude Children’s Research HospitalのRobert Webster氏は、言う。

このことは、また、中国の公式筋が、鳥インフルエンザの最初の発生が昨年になってからとはいっているものの、実際は、中国の農民が、2003年以前から鳥インフルエンザと戦っていることを示唆している。

以上

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