2005/02/11(Fri)
このところ、アメリカのニュースに、超党派(Bipartisan)という言葉が頻繁に出てくる。
先に紹介した、集団訴訟改革法案も、超党派議員提出によるものであったし、カナダからの牛肉輸入に反対する決議案も、超党派上院議員によるものであった。
加えて、ブッシュ政権自体、今年の1月7日に、税制改革を目的とした、超党派のパネルを設けることを発表した。
http://www.taxreformpanel.gov/参照
これには、辛くも再選を果たしたブッシュ政権が、再選と同時に、民主党に対して、国家目的のための超党派的な取り組みを宣言したことから始まっている。
次のサイトhttp://www.ndol.org/ndol_ci.cfm?kaid=131&subid=192&contentid=253007 では、ブッシュ大統領が目指す超党派主義の欺瞞性を、10のBipartisanship (超党派主義)に分けて、分析している。
1.土台を元にしての連立
これは、ロナルド・レーガン大統領時代の1981年度当初予算通過に際して志向されたもので、まづ、一党内を固め、その上で、他政党を狙い撃ちして、多数を形成するやり方。
2.選び抜いていく連立
両方の政党の穏健派を選び出して、コアを形成した上で、両方の政党から徐々に賛同者を加えていくやり方。
3.外部からの人材取り込みによる連立
政党の壁が少ない外部からの人材登用によって、大衆迎合を図るやり方
4.馴れ合い連立
議員間での切り崩し取引によって、連立を果たすやり方。
5.政党間馴れ合い取引連立
4よりも、大きい問題で、政党間の馴れ合い取引をおこなうもの。
6.非常事態連立
軍事行動や経済の非常事態宣言などにおいて、火急を理由としての連立。
7.イデオロギー連立
リベラルな共和党員と、保守的な民主党員とが、国家の一大目標のためを大義として連立するもの。
8.地方連立
農業問題などの地方独自の要素による政策連合を図るもの。
9.立ち往生連立
政党が行き詰まりを見せ、次の選挙までの暫定連立をはたすもの。
10.政党内超党派主義
大衆に、自党の政策が、超党派主義を超えて、真に国民にとって有用なことであることを知らしめて、相手党を連立に至らしめる方法。
以上が、超党派主義の10の形だが、何やら、このそれぞれは、日本でも同じパターンが、これまで、いろいろな形で、試行錯誤されてきたことに気づく。
何処も同じ、というわけか?
翻って、日本の与野党対決は、双方、何の知恵もない不毛な従来手法の元にあるが、もし、この超党派主義に学ぶとすれば、いろいろな手法が、特に民主党サイドにとって展開できる材料があると思うのは、私だけであろうか。