Sasayama’s Weblog


2005/01/28 Friday

ヴェトナムでの鳥インフルエンザのヒト→ヒト家族内感染の詳細

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 10:35:14

  
2005/01/28
nullヴェトナムでの、ヒト→ヒトの鳥インフルエンザ感染の状態が、昨日発表された。
これによると、Long An 県から来た10歳の少女と、Dong Thap 県から来た13歳の少女に、ともに、H5N1陽性の反応が出た。
http://english.eastday.com/eastday/englishedition/world/userobject1ai831457.html参照

この二人は、ホーチミン市の小児病院におり、現在、危篤状態にある。
13歳の少女の母親は、二羽のアヒルを殺した後、病にかかり、1月21日に死亡した。
10歳の少女の家族は、一ヶ月前、家で、病気にかかったトリやアヒルを埋めたという。

昨年12月28日以来、ヴェトナムでは、9人が死亡し、昨年一年では、死亡者は29人にのぼった。
この間において、七十万二千羽の鶏が殺処分された。
来月の旧正月を控え、人や家禽の往来か激しくなるにつれ、呼吸器感染の患者たちが、病院に検査を受けに来る数が増してきているという。

このように、タイ・ヴェトナムをはじめとして、WHOを先頭にして、鳥インフルエンザの人→人拡大阻止に乗り出した、アジア各国だが、次のような、「時 既に遅し」との見解もあるようだ。

「Asia Acts But Helpless if Deadly Bird Flu Occurs 」http://www.planetark.com/dailynewsstory.cfm/newsid/29239/story.htmとの香港からの論説では、香港大学の専門家の話として、次のように伝えている。

香港大学のLeo Poon教授によれば、「もし、ウィルスが、ヒトに適応してしまったら、誰も、どこでも、それに対抗することはできなくなる。なぜなら、そのように変異してしまったウィルスは、あまりに毒性が強く、伝染性が強く、死亡率が高いからである。」といっている。

ここで、各国の鳥インフルエンザ対策を見ると、中国では、鳥へのワクチン接種を促進したり、生体鶏の市場や輸送を監視したり、している。

うち、被害が大きいと見込まれる香港では、タミフルのストックを二倍にしたが、それは人口七百万人のたった5パーセント分にしか過ぎないという。

また、日本では、タミフルを二千万人分備蓄しているが、この量は、日本の人口一億二千七百万人のうちの一部にしか過ぎない。日本では、そのほかの対策として、海外渡航の自粛、学級閉鎖などを考えている。

タイでは、三年間にわたって、一億二千万ドルの予算措置をとり、鳥インフルエンザの研究開発などに当たっている。
また、鶏の販売業者は鶏の死体の運搬に当たっては、ビニールパックを使用させるなどの措置を取らせている。

このような各国の対策は、本格的なヒト→ヒト感染が始まっては、ほとんど、役に立たないと、専門家は見ている。

同じく香港大学のLo Wing-lok氏によれば、鳥インフルエンザH5N1は、SARSよりも、伝染力は、はるかに勝るといっている。
それは、H5N1にかかっていても、発症までの潜伏期間が6日あるために、感染者の隔離や、トレースも、ままならないということが、感染力を高めているとしている。
そして、発症後も、発症期間が、SARSに比して長いため、感染力は、より高まってしまうのだという。

また、アジア各国においては、感染診断のための施設や器具が圧倒的に不足していることも、大きな障害であるとしている。
たとえ検査にいたっても、検査結果が出るまでに、4日も要するということで、その間に感染がひろまってしまうのだという。
香港大学のLo Wing-lok氏によれば、最初の患者クラスターを確認して、その後二日から三日の間に、そのクラスターを隔離できれば、鳥インフルエンザの拡大を防ぐことができるという。
しかし、多くの国では、それができない。
となれば、すべての鳥へのワクチン接種か、全部の鳥の殺処分しか、手がなくなると、氏はいっている。

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