2004/12/14
このサイトは、アメリカの「SuicideGirls」(SG)というサイトを運営している人の下に、突然、任天堂アメリカの弁護士事務所から、「あなたのサイトは、ポルノサイトであるので、サイトの中で、任天堂の作品名「ゼルダの伝説」を記述することは、知的所有権違反に当たるので、即刻、作品名を削除しなさい。さもなくば、連邦法・州法にのっとって、訴える。」とのメールをもらった出来事を紹介している。
そこで、サイトの主は、その通り、サイトから、「ゼルダの伝説」の名を削除したのだが、実は、このサイトは、ポルノサイトほどの過激なものでなかったものだから、サイトを訪れる人々を怒らせてしまった。
そしたら、任天堂アメリカは、今度は、弁護士事務所を通さず、直接、お詫びのメールを、サイトの持ち主に送ってきた。
そこには、こう書いてあった。
「私たちは、あなたや、あなたのサイトに訪れる方々に対して、お詫びしたいと存じます。任天堂のファンのかたがたは、インターネット上で、自分で、何を見たいのかが、選択できる年の皆様であることを知っています。私たちは、それらの方々からの支持を尊重しますし、それらのかたがたの決意について、敬意を表します。先の手紙は、多くの性的サイトから、任天堂の名で、子供をひきつける行為から守るための一環として、出されたものでした。この点の努力については、私どもも自負していたものです。不幸なことに、今回は、あなたのサイトを性的なサイトとして、間違って認識してしまいました。」
という詫び状が来たという。
知的所有権を弁護士任せにしていると、とんでもない検討違いの喧嘩を消費者に売ってしまうという好例だが、日本でも、同様なケースは、起こりかねない。
著作権や知的所有権の裏側には、それを守れと叫ぶものも、それをはずせと叫ぶものも、いろいろな院外団らしきものや、隠れたる利害関係者たちが潜んでいて、一見妥当に見える論理で、時には政治家を巻き込んで、法を守れと叫んだり、この法はおかしいと叫んでいることもあるのだ。
だから、消費者は、何が消費者の味方で、何が味方でないかを、嗅ぎ分ける臭覚を持つしかないということになる。
「文化庁が敵だ。」と叫んでいても、それが、なにの意図をもったものなのか、「特定メーカーが敵だ」と叫んでいても、それは、実はライバル社の人なのではないのか、また、何故に、そういっているのかは、よくよく、確かめてかからなければならないのではないのだろうか。
業界関係者が消費者を巻き込んで、そのようなプロパガンダをしていることだって考えられるのだ。
著作権の世界も、どうも、胡散臭い世の中になってきたものである。
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