Sasayama’s Weblog


2004/10/29 Friday

大震災時の集団避難生活での二つの教訓と提案

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:12:39


2004/10/29
こうして、明日で丸一週間がたつ新潟の地震だが、いくつかの、これまでの震災で気づかなかったことも、だんだん分かってきたようだ。
第一は、学校や体育館での集団避難生活を避けて、自動車などでの独自の避難場所を確保して、避難する人が、目だって多かったことだ。
そして、皮肉にも、これらの人々に対しては、必要物資の供給が、集団避難生活の人々に比べて、著しく、不十分で、しかも、遅れたことだ。
自動車での長期寝泊りによると見られるエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症 VTE - Venous Thrombo-Embolism )の発生によって、すでに三人のかたの死亡が確認されている。
集団避難場所での少しでも快適な生活のシステムが、今こそ望まれるゆえんだ。
学校や体育館で避難生活をしたくない理由として、いくつかある。
ひとつは、体育館などの高い天井から、ガラスが降ってきたらどうしようか、などの不安などである。
また、緊急時に即座に車で移動できるようにとの、動機もあるようだ。
しかし、最大の動機は、他人と布団を隣合わせての避難生活が、長期の避難生活には、心理的には耐えられないということである。
そこで、長期化する集団避難生活に耐えうる簡易間仕切りを用意したらどうかという提案である。
この間仕切りについては、阪神淡路大震災の時も、三宅島噴火避難のときにも、問題にされたが、災害救助法適用となっているにもかかわらず、その設置が完備されていないようである。
ちなみに、阪神淡路大震災の時に、災害救助法適用の場合は、特別基準の上乗せによって、避難所については、次官通知で一人当たりの単価を百三十円から三百円(冬季加算は別枠)に大幅に引き上げ、局長通知では、避難所設置費に支出できる費用として、新たに「テレビ・ラジオ、公衆電話、公衆ファックス、仮設トイレ、仮設風呂、仮設洗濯場(洗濯機や乾燥機を含む)、簡易調理室、冷暖房機器、仮設スロープ、更衣及びプライバシー確保に必要な間仕切り設備などの機械、器具、備品、仮設設備等の整備に要する費用を含む」とした。
http://homepage3.nifty.com/n-kaz/genkou/mo-fu.html も参照
しかし、この辺を知ってか知らずか、この通達を有効に活用しているようには見えない。
すでに、サイトhttp://www.cc.rim.or.jp/~tamafact/works2/works2.html にもあるように、川崎市などでは、この「避難生活用ダンボルーム」なるダンボール製の簡易間仕切りが配置されているという。
しかし、これでは大掛かりすぎるし、かさばるし、第一、コストがあまりにも高い。(一部屋分七万円からという。)
私の提案は、卍型を斜めにしたような形の「ハーケンクロイツ型(Hakenkreuz)または、Swastika型の折りたたみ式簡易屏風状目隠し(パーテーションpartition)」を備えたらどうなのだろうということだ。
ダンボルームでは、横二メートル三十から五十、高さ一メートルだが、かさばるのが難点だし、必ずしも、このように、完全間仕切りをする必要はなく、一方向だけは、常時開放状態のままでも、避難生活には、支障はない。
おまけに、このハーケンクロイツ型の利点は、開口部の位置を微妙にずらすように配列することによって、対面の避難生活者と、開口部がまともに向き合わないため、かなりのプライバシーが保たれるはずだ。
横二メートルは布団の長さだから、変えられないとして、この部分を半分の一メートルに折りたためるようにすれば、縦横一メートルちょっとづつとなり、保管にかさばらないのではなかろうか。
材質は、ダンボールでも、何でもいい。
これをポンポンポンと、体育館などに、ハーケンクロイツをタテの角をつなげるように配置していけば、長期間のプライバシー確保空間が完成というわけだ。
これは、一見、インターネットカフェの間仕切りに似た「見えているようで見えてない間仕切り」の発想だ。
学校などで保管時には、文化祭などで、各部活のコンパートメントとしても使えるのではなかろうか。
第二の今回の震災の教訓として、救援物資の分類、開梱に手間取ったということだ。
これは、手間取る押入れの衣類の整理にも似て、外から中身が見える梱包で救援物資を送るようにすれば、現地でのかなりの手間解消に貢献するのかもしれない。
市場には、すでにこのような製品もあるようだが、これの簡易版を震災時救急物資輸送に使えるようにすればいいのではないのだろうか。

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