2005/07/21(Thu) 21:26
中国人民銀行(中央銀行)は7月21日午後7時から、現在の米ドル固定の人民元レートを、現在の1ドル=8・2765元から、1ドル=8・1100元に切り上げるとともに、米ドル、欧州ユーロ、日本円の3大通貨に一定割合で連動する「通貨バスケット制」を採用すると発表した。
アメリカのスノー財務長官が、今月7月14日のファイナンシャルタイムズ紙で、「中国の胡錦濤が9月にワシントンを訪問する前の8月に、人民元の切り上げをするであろう。」との観測を述べたが、これらの観測に機先を制した形の発表であった。(もっとも、一部報道では、中国は、アメリカに元切り上げの事前通告済みとの報道もある。)
また、単なるドルペッグ連動ではなく、通貨バスケット方式(合成通貨)を採用したことについては、これによって、元の乱高下が防げるとの見方が強い。
中国当局は、通貨バスケット値に対して、プラスマイナス0.3パーセントの変動幅になるとの発表をしたが、その通貨バスケット値算出の基となるバスケットの中のドル・ユーロ・円の各通貨の割合などについては、明言していない。
計算の基礎としては、毎日の元の終値を発表し、その値が、翌日の変動幅の中間点になるようにされるという。
今回、中国が通貨バスケット方式を採用したことで、アメリカ国債に対する中国の需要が減少するとの懸念が生じ、米国債の値段は下がり、利回りは、上昇した。
10年もの米国債の利回りは、5.9ポイント上昇し、4.217パーセントに、2年もの米国債の利回りは、4.2ポイント上昇し、3.919パーセントとなった。
一方、ユーロ圏のボンドは、通貨バスケット方式の採用で、米国債に比して有利な展開となっている。
米国債を多額保有する日本にとっては、米国債の値下がりは痛手だが、円それ自体にとっては、米国とのペッグ関係が薄れることで、日米金利差の影響から免れうるという効用も期待できるかもしれない。
また、かねてから懸案の東南アジア圏での通貨バスケット方式による共通通貨の構想も、中国の通貨バスケット方式採用で、一歩近づくのかも知れない。
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