Sasayama’s Weblog


2009/09/06 Sunday

高地価での市民農園は、「食糧自給農園」?

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 08:05:09

2009/09/06(Sun) 07
 
null昨日、代々木で、市民農園の会(日本市民農園連合)か゜あつて、ひさしぶりに、昔の仲間と顔をあわす機会がありました。

市民農園促進法や農地貸付け二法の制定の過程で、これらの市民農園を推進されているNGOなどの皆さんや学者グループと連絡協議会みたいなものをつくったのが、1990年前後ですから、かれこれ20年近くはたっているのですが、皆さん、変わらず、おんなじテーマをやり続けている根気にまず感服。

飽きっぽい私には、到底、できないことです。

当時は、これらの皆さんと一緒に、ドイツやイギリスなど、ヨーロッパの市民農園の視察に、巡り歩いたこともありましたっけ。

皆さん、それなりに白いものが、って感じでしたけど、市民パワーは依然ご健在のようでしたね。

なかには、毎日毎食時、市民農園からとれる紫蘇の葉っぱを20枚、チーズと一緒にパンにはさんで食らっている、なんていう超草食系の方もおられて、度肝を抜かれたんですけど—-(今朝、早速私も、このメニュー、朝食で試してみましたが、やっぱり、トマトケチャップみたいな甘系のものを挟み込まないと、ちょっと、いがらっぽかったみたいでしたね。)

で、今回のテーマは、東京都心の真ん中からの市民農園という提案。

渋谷区役所の方が、廃校となった学校跡地を市民農園に、という実践例を紹介されていました。

渋谷区内三箇所に設置のようで、いずれも、土地価格は、1平方メートル200万円から400万円もするところらしい。
参照

ということでいろいろこのような批判もあるらしい。

大根一本百万円なんて話も−−

で、これらの批判をかわすには、高地価に見合う公益性というのを強調すればいいのですが—

そこで、おりしも、テレビコマーシャルで日夜ながされている「食糧自給率」(「Food Action Nippon」でしたっけ?)という訳のわかったようなわからないようなキーワードで、この都心型市民農園の存在意義をバックアップするとすれば、別名「食糧自給農園」とでも命名すればいいのでしょうかね?

そういえば、市民農園の元祖ドイツでは、世界大戦時、市民農園で作られた野菜が、市民の糊口をしのいだという例もあるし−−−

それに、イギリスなどでは、本来は、貧民救済的な社会政策の一環として、市民農園制度があったという原点がありますもの。

「食糧自給率」というパラダイムは、予算獲得のためにこそ使うべし−−なんて意地悪でしょうかね?

以下の写真は、1910年代の大戦中でのイギリスのアロットメント(イギリスの市民農園のこと)での非常食耕作風景です。

戦争が始まればアロットメントが増え、戦争が終われば減る、といった繰り返しが続いたようです。

参照「Exeter in the Great War
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まあ、私の方からは、リーマンショック後の市民農園のパラダイムってことで、「雇用のための市民農園」ってのは、いかが?っていう提案をしときました。

つまり、派遣切りの世の中で、これまでの「ゆとりの生活時間の中での市民農園の存在意義」から、「生活の糧になりうる換金回路としての市民農園の存在意義」ってのにシフトしていく中で、今日的な市民農園のあり方を考えなおしてみるのも、いいかも?っていう提案です。

これは、エコツーリズムの概念にもいえることで、「環境資源を有している地元の換金回路構築のためのエコツーリズムの存在意義」ってのを提案しているんですが、とにかく、大手旅行会社に席巻されちまったいまの日本エコツーリズム協会では、無視されるのがオチって言う状況ですね。

つまり、社会性ゼロのNPOってのが、いまや、社会悪になりつつあるっている感じです。

以上

参考1.
以下の写真も第一次世界大戦下のイギリス・Corkerhillのアロットメントの光景です。
ここではこんな注釈がついていますね。

「1892年制定のイギリス・アロットメント法では、地方政府は、アロットメントのために土地を用意する義務があると、定められていた。
しかし、それ以前の時点で、工業地域に居住する多くの貧しい人々は、彼らの毎日の食を補うために、野菜などを自給するため土地を探していた。
店から買う野菜はしばしば高く、また、品質が悪かったので、自家製野菜や果実を食している家族は、健康的に、他の家族と、優位の差があった。
アロットメントの面積は、300平方ヤード(1平方ヤード=0.25坪 300平方ヤード=75坪)で、これで、年間通じて、4家族の食を支えるのに十分であった。
特に第二次世界大戦後、アロットメントはポピュラーになったが、それは、その当時は、店頭で買える野菜などに制限があったためである。
1950年代の終わりころからアロットメント人気にはかげりが見られるようになったが、近年になって、再び、ブームの再現が見られるようになって来た。
それは、食糧供給に対する不安や、自然食品ブームによるものと見られている。」

参考「Burrell Collection Photo Library

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参考2.食料自給率について

食料自給率という概念については、いろいろな説が流布されていますが、なかに、「カロリーベースの自給率を政府が計算しているのは韓国と日本だけ」(Wikipedia)などと書かれているのは、下記のFAOの概念規定「PERCENT CONTRIBUTION OF CALORIES」のとおり、あやまりです。

誰が言い出したんでしょうね?

これについては、こちらのわたくしのブログ記事「カロリー・ベース食料自給率のいい加減さの根本は、飼料自給率のいい加減さにあり。」をご参照ただきますといいんですが、せいかくにいうと、「カロリーベースの食料自給率を飼料自給率で補正しているのは、韓国と日本だけ』ということになります。

そこで整理のために、FAOでの概念整理を、以下にしるしますと

この、FAOのサイト
IV. APPLICATIONS AND USES FOR FOOD BALANCE SHEETS DATA
では、次のように整理しています。

1. STANDARDIZATION OF FOOD BALANCE SHEETS(標準的食物バランスシート)

縦軸に農産品名
横軸に
農産品ごとのDomestic utilization

Kg/ Grams/ Cal./ Prot./ Fat/ ごとのPer caput consumption

のマトリックス(投入産出分析的なものですね。昔のレオンチェフの産業連関分析的なもの、と見たほうがわかりやすいかも。)

日本で言う穀物自給率は、このマトリックスの一部から抽出すれば、とらえられうるのかな?

2. IMPORT DEPENDENCY RATIO (IDR)(食物の輸入依存率)

日本で言う食物自給率の反対値の出入りベースにあたるものですね。

IDR=〔Imports÷( production + imports - exports)〕×100

3. SELF-SUFFICIENCY RATIO (SSR)(自給率)

日本で言う食料自給率にあたるものですね。

SSR=〔Production÷(Production + imports - exports)〕×100

4.PERCENT CONTRIBUTION OF CALORIES.PROTEIN.FAT(カロリー、たんぱく質、脂肪の寄与度)

PERCENT CONTRIBUTION OF CALORIES、(カロリー自給率にあたるものと、いえるのかな?)
PERCENT CONTRIBUTION OF PROTEIN
PERCENT CONTRIBUTION OF FAT

日本での食料自給率

1.食料自給率

.ロリーベースの食料自給率(供給熱量総合自給率)=〔国民一人一日あたりの国産熱量÷国民一人一日あたりの供給熱量〕×100パーセント

(国内の畜産物については、飼料自給率を乗じ、輸入飼料による供給熱量分を控除。国産であっても飼料を自給している部分しかカロリーベースの自給率には算入しない。)
(諸外国との比較は、この表「主要国の供給熱量総合食料自給率の推移(試算)」にあるが、ここでは、、上記のFAO“Food Balance Sheets”を基に試算したものがつかわれている。畜産物に、それぞれの飼料自給率がかけられて計算されているようだが、その肝心の各国の飼料自給率のFAO統計は、どの数値を使っているのか、今ひとつわからない。)

∪源些曠戞璽垢凌料自給率=〔食糧の国内生産額÷食糧の供給仕向け量〕×100パーセント

(国内の畜産物及び加工食品については、輸入飼料及び輸入食品原料の額を国内生産額から控除。)

2.穀物自給率

ー膺用穀物自給率=〔主食用穀物の国内生産量÷主食用穀物の国内消費向け量〕×100パーセント

(コメ、小麦、大麦、裸麦のうち、飼料用を除く)

∋料を含む穀物全体の自給率=〔穀物の国内生産量÷穀物の国内消費志向量〕×100パーセント

(コメ、小麦、大麦、裸麦、とうもろこしなど、飼料用も含む)

以上

 

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