2005/06/13(Mon)
今日のワシントンタイムズ紙にGilbert Rossさんが書いた「ワクチンの躊躇」(Vaccine vacillation)という題のコラムhttp://washingtontimes.com/
commentary/20050612-
100444-6844r.htm
は、現代のワクチン生産事情を的確に示している。
Gilbert Rossさんがいうに、現代は、いろいろな病気に効くワクチンがたくさん開発されているのに、なぜか、生産されない状況にあるという。
効くワクチンの例として、水痘・帯状疱疹ウィルスに効くワクチン、ヒト乳頭腫ウィルスに効くワクチン、百日咳に効くワクチン、エボラウィルス・マーブルグウィルスに効くワクチン、マラリアに効くワクチンが、すでに開発されていて、これが、生産され、使用されるようになれば、世界中の多くの人々を救うことになるという。
鳥インフルエンザのワクチンにしてもそうである。
しかし、これらのワクチンは、さまざまな理由で生産されえないと、Gilbert Rossさんは、いう。
その理由は、政治的・経済的・規制的要素が、メーカーをして、ワクチン生産をすることを、ますます困難にさせているのだという。
一言で言えば、ワクチン開発生産には、膨大な金がかかるのに対して、ワクチンのユーザーはあまりに少ないからだという。
ポリオワクチンを例に取ってみれば、かつては、26社のワクチンメーカーがあったのに、現在では、5つのメーカーがワクチンを作っているに過ぎない。
小児用に適した12のワクチンの種類のうち、7種類については、一つのメーカーがそれぞれ作っているに過ぎない。
1998年には、小児向けワクチンの12種類のうち、9種類に供給不足の状態が発生した。
大人向けのワクチン市場はと見ると、ワクチン接種が任意であるがために、生産予測がつかないという問題がある。
2004年のインフルエンザ危機の場合には、それにもかかわらず、何百万個もの未使用のワクチンが残ってしまった。
しかし、もっとも、問題なのは、ワクチンの買い手が、政府という単一の買い手であるということだ。
したがって、単一の買い手による価格支配が、ワクチンの生産市場では、続いているということだ。
そして、メーカへは、収益をあげ得ない価格設定に甘んじている。
もう一つは、ワクチンの副作用による訴訟の増加だ。
ワクチンの価格設定は自ら出来ず、おまけに、ワクチンの副作用による訴訟費用は、メーカー側が持つということであれば、ワクチン生産が慈善事業でない限り、メーカーは、ワクチン製造から手を引くということになる。
そして、一つの種類のワクチンの生産会社が結果一つになり、やむを得ざる寡占状況の下で、政府からの強い価格支配を受けるという、硬直的な状況が、ウィルスの発生如何にかかわらず続くという異常な事態となるのだという。
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