Sasayama’s Weblog


2005/01/08 Saturday

ますます熱を帯びるフランス・シラク大統領の「インターナショナル・タックス(国際税)」構想

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:39:24

 
2005/01/08
「津波被災国に対しての持続的援助のファンド造成のためにインターナショナルタックス(国際税 なお、日本のニュースでは、国際災害税と訳されている。)を創設すべし」との、フランスシラク大統領の主張は、ますます、熱を帯びつつある。
http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/L06684540.htm
によれば、シラク大統領は、今年のG8での構想実現に向けて、G8各国首脳に働きかけるという。
同時に、フランスは、そのための仲間作りとして、イギリスをターゲットとして、イギリスの提案する第三世界への援助を現在の二倍にするというInternational Finance Facility(IFF)構想を支援するという。
このIFF構想は、一口で言えば、対外援助の先物取引のようなものなのだが、昨日の英ガーディアン紙では、「A chance for action 」と題して、Gordon Brown氏が進めるこのInternational Finance Facility構想を、津波問題発生を機に、協力に国際社会に普及すべきとの論陣を張っており、この構想の三つの利点(1.構想の簡素性、2.いったん援助公約すれば、公約撤回ができないという不可逆性、3.ファンド提供先選択の戦略性)を上げている。
しかし、同時に、この構想に、イタリア・フランスは、賛成しても、ドイツ・日本は、懐疑的な態度をとり続けるだろうとの限界も指摘している。
そこで、フランスの国際税構想と、イギリスのIFF構想との連携で、アメリカのブッシュさんをも巻き込んで、形勢逆転を図ろうというものであろう。
もともと、フランスは、新しい税制の発明の源的存在で、現在の日本の消費税が雛形としているヨーロッパの付加価値税(VAT)は、もともとは、フランスで発明?されたものだ。
http://www.sjk.co.jp/c/w.exe?y=www.noguchi.co.jp/archive/tax/tx030227.php3参照
今回のフランス提案のインターナショナル税の発想は、ひょっとして、地球公共財を守る財源のスキームの原点になりうるかもしれない。
同時に、この考え方が、進行すると、京都議定書にも織り込まれた、現在の環境税の分野に属する国際間排出権取引のスキームが、吸収され、より広い概念でのものに変わりうる可能性もある。
このことは、京都議定書に加盟していないアメリカの国際税構想参加を可能としている一方、為替取引への1パーセントの課税を目差すトービン税構想とは、競合する面も有している。
このシラク構想の原点は、ランダウ・レポート(Landau report) http://www.diplomatie.gouv.fr/actual/pdf/resueng.pdf
等で見ることができる。
http://www.ambafrance-ca.org/article.php3?id_article=526
http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/~hirakawa/diary/archives/200409/260241.php
もご参照

HOMEオピニオン提言情報・解説発言
プロフィール—-著書行動図書館—-掲示板

188
 

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Leave a comment

XHTML ( You can use these tags): <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong> .