2004/11/07
今朝の日経に、この掲示板でも「負ける建築」の著者として取り上げたことのある建築家の隈研吾氏のコラムが掲載されていた。
題して、「不自由な建築」
氏のいうに、建築後、幾年かたつうちに、まことに使い勝手の悪い、不自由な建築になるのに対して、昔の建築というのは、スペース等の点で、不自由ではあるが、回収などでは、まことに自由な空間となるというのである。
その一例として、彼は、今年の12月4日に開業する京都の烏丸のCOCON烏丸をあげている。
このビルは、1938年完成の旧旧丸紅ビルを改装したもので、中には、当時ならでは得られない贅沢な材料が使われているという。
京都では、このほかに、10月には、1920年建築の「文椿ビルヂング」が、改装オープンする。
勝ち誇る建築から、負ける建築へ、自由な建築から、不自由な建築へ、まさに、スロー・アーキテクチャーというべき、価値転換だ。
世は、新築から改築の時代に入ったとみるべきか?