Sasayama’s Weblog


2004/10/12 Tuesday

「政(せい)は正(せい)なり」には、小泉首相自らを諭す前段があった。

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 06:58:56

  
2004/10/12
小泉純一郎首相が10月12日の所信表明演説の冒頭で孔子の論語 「政(せい)は正(せい)なり」を持ち出し「政治は不正を許さず人々に模範を示すことで、秩序ある社会をつくるよう常に襟を正さないといけない」とのべたというのだが。
そこで、サイトhttp://kanbun.info/keibu/rongo12.htmlで原典にあたってみると、確かに、このサイトの12-17で、季康子が孔子に対して、「政とはなにか?」と問うたのに対して、孔子は、「 政者正也 」(政は正なり)(政(せい)なる者は正なり。子、帥(ひき)いるに正をもってすれば、たれかあえて正(ただ)しからざらん。 )と、答えている。
しかし、孔子が、論語の顏淵第十二において、政について言及したのは、この 季康子の問いに対してだけのものではない。
その前段階で、 12-07の子貢の政についての問いに対しては、 『食を足(た)らわし、兵を足らわし、民にこれを信ぜしむ。』と応え、 12-11の斉(せい)の景公からの政とは?との問いに対しては、 『君を君とし、臣を臣とし、父を父とし、子を子とす。公曰く、善(よ)いかな。まことにもし、君、君とせられず、臣、臣とせられず、父、父とせられず、子、子とせられずんば、粟(ぞく)ありといえども、われ得てこれを食(くら)わんや。 』と応え、 12-14の子張からの政についての問いに対しては、 『これに居りて倦(う)むことなかれ。これを行なうに忠(ちゅう)をもってせよ。』と応え、 12-19の季康子からの更なる政とは?との問いに対しては、 『子、政(まつりごと)をなすにいずくんぞ殺(さつ)を用いん。子、善を欲すれば民善なり。君子の徳は風にして、小人の徳は草なり。草はこれに風を上(くわ)うれば必ず偃(ふ)す。 』と応えている。
この前段なり、季康子の追加質問などを見ると、今のイラク戦争のむなしさをも示唆し、改革の痛みにあえぐ民への政の指針を与えているようにも見える。

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