Sasayama’s Weblog


2005/01/01 Saturday

酉年と赤色野鶏と鳥インフルエンザ

Filed under: 未分類 — 管理人 @ 07:36:57

 
2005/01/01

四国新聞の「ニュースの詳報」サイトは、非常に役立つ。
新聞社にまわされてくるニュース・レリースのそのままの掲載であるからだ。
今日の詳報では、元旦らしく、早速、「天皇陛下の感想全文」なんてのが記載されていて、その後に、「人の営みの中で作られた鶏/秋篠宮さまが寄稿 」なんてのもあって、秋篠宮さまが人間と、今の家禽化した鶏の原型である赤色野鶏との関係について述べられている。
さすがに、記者団も、宮内庁の記者団では、鳥インフルエンザ問題については、聞きあぐねたようだ。
そこで、勝手に私のほうで捕捉すると、この中で述べられている赤色野鶏(RedJungle Fowl、Gallus gallus、red junglefowl)は、すべての鶏の原型なんだそうで、これには、20,000-23,000 のDNAがあるんだそうだ。
重要なのは、この赤色野鶏のDNAの60パーセントの蛋白遺伝子が、人間の蛋白遺伝子と同じものだということだ。
つまり、赤色野鶏と、人間の先祖は、三億一千年前は、共通ということだ。
これが、現在の鶏になると、人間の遺伝子と同じ遺伝子が、大分、減ってしまっているということだ。
しかし、http://www.abc.net.au/science/news/scitech/SciTechRepublish_1261101.htm によると、鳥と人間とが、共通の先祖を持つがゆえに、鳥の遺伝子が、人間の遺伝子に変異しやすい環境にあることは事実のようだ。
この点が、鳥インフルエンザの人間感染問題に重要な課題を提供しているようだ。
つまり、今の家禽化した鳥のどのゲノムが、インフルエンザにもっとも影響されやすいのかを検証し、それに当たる人間のゲノムは何番目なのかを解明すれば、鳥から人間へのインフルエンザの変異阻止ができるというわけだ。
昨年3月、ニワトリのプロトタイプのゲノム解析に成功という話題がニュースに流れた。
私の掲示板でも紹介したこの記事「First Avian Genome Now Available to Scientists Worldwide」
なのだが、
セントルイスのthe Washington University School of Medicineで、Richard Wilsonさんが中心となって、現在のニワトリのプロトタイブであるGallus gallusのゲノム解析に成功したというものである。
これらの遺伝子配列は、公共のデータベースに置かれ、他の研究者達にも公開されるという。
鳥の遺伝子配列が明らかになったのは、これが初めてだそうだ。
ヒトのゲノムが、三十億ペアであるのに対し、鳥のゲノムは、十億ペアなのだそうだ。
これによって、何が有益になるかといえば、たとえば、現在流行中の鳥インフルエンザ・ウィルスの突然変異に対する抵抗レベルが鳥によって異なるのは、何が原因かがわかるものであり、これによって、鳥インフルエンザ対策にも有用となるし、また、人間のゲノム配列と鳥のゲノム配列を比較し、同じ遺伝子配列を見つけ出すことによって、人にとって危険な鳥インフルエンザの解明と対策に寄与しうるとしている。

以上、新年早々、酉年ならぬ鳥インフルエンザにちなんだ話題でした。

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